この記事は、美容室・サロンで活用できる補助金・助成金・公庫について解説させていただきます。
美容室やサロンを開業する、そして経営していくには、テナント代・材料費・設備費・人件費・広告費などかなりのお金がかかります。
この記事で紹介する補助金・助成金・公庫は、そんな美容室・サロン経営者にとって強い味方となります。
2022年に実施(まだ未定のもあるので厳密には実施を予想)される補助金・助成金についてまとめました。あと公庫についての情報を盛り込み、最後に無料相談できる公的機関についても紹介します。
※分かりやすいように解説動画つきです。
美容室・サロンの経営者にとって絶対にお役立ていただける内容となっております。
そして、こうした情報は全て、「あなたの美容室・サロンは補助金を使えますよ」とか国からお知らせがきて教えてくれるものではありません。
自分たちで調べないと知ることはできません。
言わば「この情報を知ってる人だけが得をする」といった知識になりますので、ぜひご一読ください。
最新情報を受け取りたい方や、自分の美容室・サロンがどんな制度が利用できるのか知りたい!という方は下記フォームからお問合せください。
無料相談を承ります。
<この記事の目次>
1.補助金・助成金・公庫とは?
1-1.補助金
1-2.助成金
1-3.公庫
1-4.活用しないと予算縮小される!?
2.補助金の種類
2-1.IT導入補助金
2-2.小規模事業者持続化補助金
2-3.ものづくり補助金
2-4.事業復活支援金 ← NEW
2-5.事業再構築補助金 ← NEW
2-6.その他、自治体の補助金
3.助成金の種類
3-1.雇用調整助成金
3-2.労働移動支援助成金
3-3.特定求職者雇用開発助成金
3-4.トライアル雇用助成金
3-5.地域雇用開発助成金
3-6.人材確保等支援助成金
3-7.キャリアアップ助成金
3-8.両立支援等助成金
3-9.人材開発支援助成金
3-10.業務改善助成金
3-11.時間外労働等改善助成金
3-12.産業保健関係助成金
3-13.中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成
3-14.助成金は人材確保に役立つ
1.補助金・助成金・公庫とは?
それではまず最初に「美容室・サロンの経営をサポートしてくれる制度」というのはどういったものがあるのか?ざっくりと説明させていただきます。
今回この記事で紹介するのは大きく3つあります。
それは「補助金」「助成金」「公庫」といった3つです。
これら3つは皆様も聞いたことがあるのではないかと思います。
1-1.補助金
それぞれをすごく簡単に説明すると「補助金」とは美容室・サロンの集客をサポートしてくれるものと考えていただいて大丈夫です。
経済産業省が中小企業の事業を活性化させるために補助です。
例えば、美容室・サロンのホームページを作ったら10万円もらえるとか、そういったものです。
1-2.助成金
そして「助成金」は、美容室・サロンでスタッフを雇った時に使うものと考えていただいて大丈夫です。
こちらは厚生労働省が企業の労働環境の整備を行うことなどに交付されます。
例えば、契約社員を正社員にしたら50万円もらえるとか、そういったものです。
補助金も助成金も、国や自治体から交付される返済義務のないお金です。
国が交付…と聞くと大企業のお話に感じる人もおり、「個人経営のお店はもらえないんでしょ?」と諦めている方もいらっしゃいますが、実は違います。
補助金は個人経営の美容室・サロンでも貰えます。
しかし、ここで注意してほしいのが支出分を全額支給してくれるケースはあまりないことです。
基本的には自己負担が伴うのが一般的ですので「補助金や助成金をもらえて儲かる!」とは思わないようにしてください。
1-3.公庫
最後に「公庫」ですが、こちらは補助ではなく国からお金を借りるということで返済の義務があります。
ただし、銀行などの各種金融機関よりも借りやすく返しやすいといった大きなメリットがあります。
美容室・サロンを開業したいとお考えの方の強い味方になってくれます。
1-4.活用しないと予算縮小される!?
さて、2019年度の決定で、個人的に驚いたのがIT導入補助金についてでした。
2018年度は以下の予算なのに対して
補助額:15~50万円
補助率:経費の1/2以内
2019年度の予算はこちら(↓)です。
補助額:40~450万円
補助率:経費の1/2以内
ご覧の通り400億円も総予算が縮小されてしまいました…。
というのも、昨年は総予算500億円に対して使われた金額は100億円でなんと400億円も余りました。
「余ってしまうのであれば、予算を縮小しよう。」という感じになってしまったのではないでしょうか。
これは非常に残念ですね。
2018年度の最後の方は予算が余りまくっているため「申請すれば高確率で補助が受けられる!」といった良い環境でした。
しかし、予算が縮小された2019年はそんなに簡単には受からなくなっていまったんです。
そして、2019年度の補助額の最低金額が変更になったのも気になります。
【15万円 → 40万円】
補助率は1/2ですので、買い物の半額を補助してもらえます。
以前は、30万円という比較的高くない買い物から補助を受けることができました。
しかし、今年は、80万円という個人経営の美容室・サロンにとって高額な買い物でないと補助を受けることができなくなりました。
2018年度の方が使い勝手の良い制度だったかも…と個人的には思います。
ただし、申請したお店が補助してもらえる金額は大幅に増えました。
【15~50万円 → 40~450万円】
つまり、「申請するお店が多くないので全体の予算は縮小するが、せめて申請したお店はたくさん補助してあげよう」という感じなんだと思います。
補助金額の増加を嬉しく思う美容室・サロンの経営者様も多いと思います。
450万円も補助が受けれるのは本当にすごいことで国が本気で中小企業を応援しようとしてくれる感じがします。
せっかく国や自治体が美容室・サロン経営をサポートしてくれる制度を用意してくれてるので、これを活用しない手はありません。
活用する美容室・サロンがこのまま増えないと、予算がさらに縮小したり補助金という制度自体がなくなってしまうことも考えられます。
せっかく国がサポートしてくれるんですが積極的に活用していきましょう!
ということで、この記事では補助金・助成金・公庫の3つを美容室がどう活用していけばいいか?今回の記事で順番に紹介していきます。
2.補助金の種類
それでは、まず最初に「補助金」についてお話します。
補助金とは、経済産業省が管轄の、美容室・サロンの集客に関することを支援するためのものです。
・事業に必要な設備投資費
・美容室やサロンのホームページの作成費
・チラシ作成・配布などの広告費
・展示会などのイベント出展費
・新商品開発の研究費など
美容室やサロンの事業を活性化させるための費用を補助してくれる「補助金」はサロン集客の強い味方だと言えます。
どのような補助金があるのか?と申し上げますと、実は毎年変わりまして、2月頃発表となるケースがほとんどです。
この記事では毎年出てくる補助金を3つお伝えしたいと思います。
※動画解説はこちら(↓)
2-1.IT導入補助金
まずひとつ目が「IT導入補助金」です。
美容室・サロンで対象となる導入例が、「ホームページ作成費用」「予約ソフトやPOSレジシステムの導入」「財務管理システムなどの導入」でITツールを導入するため費用を最大半分補助してくれる制度です。
補助額は20万円~50万円までとなっています。(←2019年度の実績です)
この補助金の良いところは「審査が通ってから買い物ができる」ことです。
IT補助金導入には大きく3つの流れがあります。
2-1-1.申請
まず申請します。
例えば「私の美容室では、新規客の獲得のためにホームページを作ろうと思っています。製作費は50万円の予定です。」と国に申請します。
この時点でまだ買わず、あくまで予定で大丈夫です。
2-1-2.採択
次に採択(審査)があります。
例えば「あなたの美容室でホームページを作ることを国が補助します。」と国の審査が通ります。
通った時点で、ホームページを制作することを決定します。
2-1-3.導入
そして最後に導入になります。
ホームページ制作後に、かかった費用の半分を国が補助してくれます。
例えば、ホームページ製作費が50万円だった場合は半分の25万円を補助してくれるという感じです。
つまり、美容室・サロンのホームページを作り直したいなどをお考えであれば、とりあえず申請しておいた方がお得です。
審査に受かればホームページを作れば良いし、落ちてしまったなら作らなければ良い。といった形で金銭的なリスクがありません。
ちなみにITツールは何でも良いというわけではなく、指定されたリストの中から選んで申請する必要がありますので、そこだけご注意ください。
2-2.小規模事業者持続化補助金
そしてふたつ目が「小規模事業者持続化補助金」です。
こちらは「新規集客のためのチラシ作成・配布」「バリアフリーに美容室を改装する」「宣伝のために展示会に出展する」
これら以外にも、新規事業として美容室やエステやアイビューティーサロンの併設や、新規顧客獲得のために高齢者向けの美容器具や設備など「サロンの新規開拓とお客様のためになる!」と認められれば宣伝費・美容器具だけでなく様々なものが補助対象なるのでまさにサロン経営の強い味方!それが、この補助金です。
しかも、補助額は50~最大100万円までで、対象の経費に最大2/3まで交付されます。補助金の中でも一番通りやすく人気です。(←2021年度の実績です)
ただし、こちらは先に紹介したIT導入補助金と違い先にお金を使わないと補助されません。
つまり、新規集客のためのチラシ作成と配布に75万円使ったと申請し、あとで2/3の50万円が交付されるといった感じです。
小規模事業者持続化補助金セミナー動画
こちらから小規模事業者持続化補助金について専門家にオンライン相談(無料)も可能です。まずはお気軽にセミナー動画をご視聴いただければと思います。
2-3.ものづくり補助金
最後の3つ目は「ものづくり補助金」です。
ものづくり補助金とは「中小企業が単独では実施することができない【ブランド化戦略】【新商品開発】【生産プロセスの改善】などに活用することができる」といったものです。
美容室・サロンの場合は、新しい商品やメニューの開発費、宣伝費、販促費などに対して補助を受けることができます。
補助額は500~最大3000万円までで、対象の経費に最大2/3まで補助してくれるという、今回紹介する中では一番大規模なものになります。(←2019年度の実績です)
その分、申請して通る可能性は45%ぐらいと、なかなかハードルが高い補助金になっています。
以上の3つが毎年出てくる可能性が高い補助金でした。
2-4.事業復活支援金
ここからはコロナの影響で新設された補助金を2つ紹介します。
1つ目は事業復活支援金で、こちらはコロナの影響で、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が50%以上または30%~50%減少した美容室・サロン(法人・個人事業主)が対象となっており、最大250万円を支給する方針となっています。
ちなみに『コロナの影響を受けた』とは具体的にどのような事例を指すのか?と申しますと、「自治体による三密回避の要請を受けて、客席の間隔を広げ、回転率が減少したことによる売上減少」などが経産省の資料に挙げられています。
申請は2021年に実施された「一時支援金」「月次支援金」と同じく政府認定の登録確認機関での事前確認が必要となります。(←不正受給や誤申請を防ぐのが目的のようです)
そのため、2021年に「一時支援金」や「月次支援金」を受給している場合はこの事前確認は原則不要とのことですので申請が少し楽になります。
もし、あなたが今回初めて事業復活支援金を受給する場合は、事前確認が必要となりますので最寄りの専門家にご相談ください。
※この記事からは、弊社のパートナーとなっている政府認定の支援機関に相談できますので、もしよろしければお問合せください。
2-5.事業再構築補助金
2つ目は事業再構築補助金で、こちらはざっくりと申し上げますと「Withコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再生構築を支援する」といった補助金になります。
つまり「Withコロナ時代に合わせた形にするために何かを変えたり、新しく始めたりするためにかかるお金の一部をサポートしてくれる制度」です。
対象となる経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービ ス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費(一部 の経費については上限等の制限あり)となります。
ただ、こちらは条件はけっこう複雑で、店舗がやりたいことによってかなり異なります。
判断がなかなか難しい部分もありますので、そんな時は専門家に相談するのが一番です。
以下から政府認定の支援機関に質問できますので、もしよろしければお問合せください。
2-6.その他、自治体の補助金
また、ここまで紹介したものは国の補助金でして、東京都であるとか、それぞれの区や市でも補助金というものがあります。
例えば、昨年の港区では「港区にある美容室・サロンで創業5年以内の間は家賃の補助が出る」などありまして毎月5万円、港区から家賃の補助を受けることができました。
また、ホームページを作って10万円もらえるなどの補助もあります。
さらに、銀行など金融機関から資金を借り入れている場合に「利息を半額補助してくれる」なんてものもあります。
国も自治体も調べないと情報は知ることはできない、「知ってる人だけが得をする」制度ですので「私の美容室はどれが受けれるのか知りたい」という方は、調べてお伝えしますのでお問い合わフォームよりお気軽にご相談ください。
それでは補助金に関しては以上となります。
もし宜しければ続きの助成金と公庫の方もご一読ください。
3.助成金の種類
それでは次に「助成金」についてお話します。
助成金とは、厚生労働省が管轄する、雇用に関することを支援するためのものです。
簡単に言うとスタッフの確保や、労働環境をより良くするためにサポートするといった感じです。
例えば、スタッフの教育や、正社員を増やす、育児休業の活用、有給休暇を増やす、残業時間を削減するなど様々ものがあります。
これらの助成金は国の政策によって毎年見直され、変更されます。
こちらの厚生労働省のホームページに詳細が集約されて記載されています。
ただ、ご覧いただくとお分かりいただけますが、ずら~と載っているので「自分の美容室がどの助成金が使えるのか?」非常に分かりにくいです。
ということで今回は、美容室で活用しやすい助成金をいくつか厳選して紹介します。
※動画解説はこちら(↓)
3-1.雇用調整助成金
景気の変動などで売上が下がってしまい、事業を縮小せざるを得ない状況になった場合など、雇用調整(休業・教育訓練・出向)によって雇用を継続した時に利用できます。
支給額:調整内容によって変わりますが、負担額の2/3程度
どうしても美容室・サロンの売上が悪く、従業員の解雇を迫られても、従業員をしばらく休業という形で雇い続けることをサポートしてくれます。
3-2.労働移動支援助成金
売上の低下や事業の縮小で、従業員を解雇しなくてはならなくなった時に、従業員の再就職を支援した場合に利用できます。
また、そういった労働者を雇用した場合にも利用することができます。
○早期雇入れ支援コース
○中途採用拡大コース 支給額:コースや条件により異なります。
美容室・サロンでは人材不足が深刻な状況にあるところが多いです。ですが、中途採用を拡大することで、人材確保にも繋がりますし、助成金も受けることができます。
3-3.特定求職者雇用開発助成金
高齢者や障害を持つ方、母子家庭の母や父子家庭の父、学校の既卒者や中退者など、就職が困難な方の雇用をした場合に利用できます。
○生涯現役コース
○発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
○三年以内既卒者等採用定着コース
○障害者初回雇用コース
○長期不安定雇用者開発コース
○生活保護受給者等雇用開発コース 支給額:コースや雇用期間によって異なります。
子どもを一人で育てなくてはならなくて、美容室・サロンを辞めてしまった方や、新卒での就職ができなかったことで就職活動が厳しくなってしまった…など様々な事情で就職先が見つからない方を支援してくれるので、人材確保のために視野を広げてみるのも良いかもしれません。
3-4.トライアル雇用助成金
就業経験がなかったり、1年以上離職していたりなどの求職者を試用期間を設けて雇用すると利用できます。
○障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース 支給額:1万円~15万円程度
育児や介護などで美容師の職を離れていたという美容師さんも多いですから、そういった方を雇用する時に活用できます。
3-5.地域雇用開発助成金
求人の少ない地域で、美容室・サロンなどを開業し、従業の雇用をした場合に利用できます。
○沖縄若年者雇用促進コース 支給額:雇用人数や設備費用によって異なります。(最低数の3人雇用した場合48万円~144万円程度)
Uターンなどで都心から離れた美容師さんは少なくありません。また、ご自分がUターンなどで地方での美容室・サロンの開業を考えていればすぐに活用できます。
3-6.人材確保等支援助成金
人事評価制度や賃金アップ、教育訓練や健康づくり制度などの導入で、生産性向上や離職率の低下を図ることで利用できます。
○介護福祉機器助成コース
○介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
○中小企業団体助成コース
○人事評価改善等助成コース
○設備改善等支援コース 支給額:コースや取り組み内容により異なります。
人材確保は美容室・サロンでは大きな悩みの種だと思います。離職を防ぐためにも、こういった制度を活用してみるのもひとつの手だと言えます。
3-7.キャリアアップ助成金
アルバイトやパート、契約社員などの正社員ではない従業員を、正社員として雇用したり待遇の改善などを行うことで利用できます。
○賃金規定等改定コース
○健康診断制度コース
○諸手当制度共通化コース
○選択的適用拡大導入時処遇改善コース
○短時間労働者労働時間延長コース 支給額:コースや改善内容、企業規模によって異なります。
非正規社員を美容室・サロンで雇用していれば活用できます。離職防止にも繋がるメリットもあります。
3-8.両立支援等助成金
育児や介護などと仕事を両立できるように、労働環境の改善行った場合に利用できます。
○介護離職防止支援コース
○育児休業等支援コース
○再雇用者評価処遇コース
○女性活躍加速化コース
○事業所内保育施設コース 支給額:コースや企業規模などで異なります。
今は男性も育児休暇を取る時代ですが、美容室・サロンは女性社員も多いためすぐにでも活用することができます。
また、育児や介護などで離れてしまうのが惜しい人材を支援することができるので、すぐに復職できる環境を整えることで人材確保に繋がるメリットもあります。
3-9.人材開発支援助成金
研修などを行って、従業員の育成に取り組んでいる事業主を支援する制度です。
○一般訓練コース
○教育訓練休暇付与コース
○特別育成訓練コース
○障害者職業能力開発コース
支給額:コースや訓練内容により異なります。
人材育成を目的とした助成金ですから、支援してもらいながら人材の育成をすることができます。教育を行うことで美容室・サロンの顧客満足度が上がることも期待できます。
3-10.業務改善助成金
生産性向上のために設備投資などを行い、最低賃金の引き上げを行った場合に利用できます。
支給額:賃金の引き上げ額や設備投資などの費用によって異なります。(上限50万円~100万円です。)
最近増えている出張美容の仕事のために、移動式の理美容車を導入し作業の効率化を図ったり、予約システムやPOSレジシステムの導入での生産性向上が認められれば活用できます。
3-11.時間外労働等改善助成金
2018年に新設されたばかりの助成金です。
従業員が少ないことで一人ひとりの労働時間が長くなってしまいがちな中小企業向けに、労働時間を減らしたり、有給休暇を取得したりするための費用を負担する制度です。
〇勤務時間インターバル導入コース
〇職場意識改善コース
〇団体推進コース
〇テレワークコース 支給額:コース内容によって異なります。(上限200万円まで。)
小規模な美容室・サロンほど活用してほしい助成金です。中小企業はどうしても時間外労働への意識が低くなってしまいますが、この助成金を活用することで、意識改善にも繋がり、また十分な休養を取ることができるので、仕事の質を高めることにも繋がります。
3-12.産業保健関係助成金
2017年度から追加され、現在ではより使いやすく改善されています。
従業員の健康のために実施した場合に利用できます。
〇職場環境改善計画助成金
〇心の健康づくり計画助成金
〇小規模事業場産業医活動助成金 支給額:実施内容によっても異なります。
こちらも上記のように、従業員の健康のための支援ですから、仕事の質の向上が期待できます。
また、美容室・サロンの仕事は体力勝負ですから、活用することで従業員の健康維持ができ、結果として離職を防ぐことに繋がります。
3-13.中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成
従業員の退職金共済に新規加入した場合や、掛金を増額した場合に、掛金の負担をしてくれる制度です。
退職金共済に加入している美容室・サロンは少ないと思います。会社員でない個人事業主が多い美容室・サロンでは、加入しておくことで老後の安心に繋がります。
以上、美容室・サロンで活用できる助成金を紹介しました。
受け取りの条件ですが、法人・個人に関わらず助成金の受け取りには補助金のような審査はなく、条件を満たしていれば受け取ることができます。
最低条件として、労働保険に加入しており、保険料を滞納していないことが前提となります。
また、就業規則の提出も必要になるため、作成しておかなくてはいけません。
「どの助成金が受け取れるか知りたい!」
「助成金を導入したいけど、どうしたら良いか分からない!」
という方はお気軽にご相談ください。
3-14.助成金は人材確保に役立つ
このような助成金を活用して労働環境の改善することは、人材の確保に非常に役立ちます。
せっかく育てたスタッフが辞めてしまう…というのは経営者にとって大変なショックですよね。
実は、美容業は離職率の高い業種です。
厚生労働省が公開したデータを見てみても、美容業の離職率はホテル・飲食業に次いで第二位です。
そして、その離職率が上がってしまう理由について、エン・ジャパンさんが5000名以上を対象に実施した「退職のきっかけ」に関するアンケートを紹介しますと、1位は「給与が低い」、2位は「人事評価制度に不満がある」、3位は「残業や休日出勤が多い」という結果になっています。
全て労働環境です。
つまり、助成金を活用して労働環境を改善すれば離職を減らすことに大きな効果を生みます。
そして、求人も上手くいくようになります。
例えば求人で大切なポイントは、「自分がこの美容室で働いたらどんな感じか?」募集要項から具体的な未来を想像させること。
そして、他の美容室にはない自社の魅力を提示することです。
その時に労働環境の良い美容室は、他の美容室に比べて伝えられる魅力が多いですよね。
自然と求人も上手くいくようになります。
人材に力を入れたい美容室・サロン様は、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
更に詳しい情報や気になる点などがあれば、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
それでは助成金に関しては以上となります。
もし宜しければ続きの公庫についてもご一読ください。
4.公庫
そして、今回の記事の三つ目「 日本政策金融公庫」についてお話します。
こちらは国がお金を借してくれる制度で、最もポピュラーな資金調達先です。
「美容室・サロンの開業資金を借りに行くとしたら、公庫がいいだろう」というのは、あなたも聞いたことあるのではないでしょうか。
その理由は、融資のときの無担保OK(条件付き)、金利が低い、利息が固定金利、美容室・サロンの営業許可が取れる前から融資OK、と非常に良心的で借りやすいからです。
銀行やカードローンよりも公庫はずっと借りやすいです。
銀行は無担保で実績がない人には融資してくれませんし、カードローンは金利が高い。美容室・サロンの開業資金を確保したい方は、まずはこの日本政策金融公庫を検討してみると良いでしょう。
もちろん会社にしなくても、個人事業主でも貸してもらえます。
※動画解説はこちら(↓)
4-1.借入の審査
借り入れには審査があります。
審査の対象となるのは大きく分けて二つ。
「個人の信用」と「事業計画」です。
4-1-1.個人の信用
審査に落ちてしまう理由としては「美容室・サロンで働いた経験がない」「過去2年カードローンなど消費者金融から借り入れがある」「公共料金を滞納している」という基本的な条件。
あと「自己資金がない」というのも落とされる対象となります。
どれくらいの自己資金が必要かと言うと、公庫の案内には「自己資金は1/10」と書かれていますが高確率で審査に通るには最低でも1/4はほしいところです。
例えば300万円の融資を受けたいのであれば面接時に75万円以上が通帳に入っている必要があります。これは足りなければ親族に一時的に借りても問題ありません。
以上が個人の信用がなくて審査に落ちてしまう例です。
4-1-2.事業計画
そして、なかなか難しいのが「事業計画」です。
美容室・サロンなど業種に関わらず新規に独立開業したお店は、開業後1年以内に50%以上が閉店、さらに独立開業後3年以内だと90%ものお店が閉店すると言われています。
閉店理由は個々の店舗で事情は違うとは思いますが、全てヒト・モノ・カネのいずれかに原因に集約されます。
その中でも、お金に関しては、事業計画が甘いというケースが大半です。
お金を貸す公庫としても、事業計画が甘い美容室・サロンにお金を貸しても返済が見込めない…と判断されてしまい審査を落とされてしまいます。
5.かんたんに導入する方法は?
美容室・サロンにおける補助金・助成金・公庫の導入は、いま非常に注目を集めています。
ただし、導入したいけど以下のような不安もあり、なかなか踏み出せない美容室・サロンの経営者様もとても多いです。
・どんな助成金・補助金が自分のサロンに合っているのか分からない…
・事業計画書などの書類の準備や手続きが難しそう…
・色々とリスクがありそう…
そういう時は専門家に相談するのが一番です。
5-1.専門家に相談するのが一番
公庫の章で紹介した事業計画書ですが、実はこちらは公庫だけでなく補助金・助成金の申請にも必要になってくるものです。
審査に受かるようなしっかりとした事業計画書を、独立前に美容室・サロンで働きながら自分で調べて作るとなると3ヶ月~6ヶ月ほどの期間がかかってしまうので一般的です。
しっかりした事業計画書を、短期間で効率よく作るためには、専門家に相談するのが間違いありません。
それが資金調達だけでなく安定した美容室・サロン経営に繋がっていきます。
5-2.専門家に無料相談できるミラサポ
ということで、この記事の最後にプロに無料で相談できる地域プラットフォームという「ミラサポ」というサービスを紹介したいと思います。
地域プラットフォームとは国の中小企業庁が認定した、中小企業の支援相談窓口です。
窓口となるのは、この記事での情報提供をサポートして頂いた私たちのパートナー企業ソフィアコミュニケーションズさんや、西武信用金庫さん・第一勧業信用組合さんといった金融機関、税理士法人タックスウェイズさん、青山学院さんなどで機関構成されています。
※パートナー企業であるソフィアコミュニケーションズさんの概要は以下です。
代表取締役 林田かよ氏 ◆プロフィール
大学を卒業後、松下電器㈱ショールームに勤務。その後、テレビ・ラジオなどの仕事を経て2006 年からコンサルティング会社に所属。日産自動車株式会社、農林水産省、栄養女子大学等で研修講師を担当。2008 年、株式会社ソフィアコミュニケーションズを設立。企業や大学、公的機関などの他、企業代表者や税理士・弁護士の方向けにプレゼンテーションの講座を行う。見た目や声が与え る印象の重要性にフォーカスし、自己表現の研修を実施。およそ 8,000人の研修実績を持つ。2010年より創業支援事業をスタート、地方自治体での創業支援セミナーを実施。現在は中小企業庁の「地域創業促進支援事業」として目黒区にて創業インキュベーション施設を運営している。2018年 3月に「TOKYO中小企業活性化プラットフォーム」代表機関に認定され、創業の相談だけではなく、融資・補助金・助成金など中小企業に役立つあらゆる情報を発信している。◆実績
・ 港区、練馬区にて創業スクール担当(2010年より)
・ 中小企業庁「地域創業促進支援事業」認定創業スクール運営受託。(2015 年より)
・ 経済産業省「経営革新等支援機関」として認定
・ 「TOKYO 中小企業活性化プラットフォーム」代表機関として創業支援、中小企業支援活動を 実施(2018年)
事業計画だけでなく、今回紹介した補助金・助成金・公庫の申請や経営拡大のご相談や、気軽な情報収集先としてなど美容室・サロンの経営者様の身近な相談窓口として是非私たちをご活用ください。
特に相談相手がいなくて、一人悩んでいる方に是非オススメいたします。
「新しく事業を始めたいけど、何から手を付けたら良いか分からない」
「資金調達の方法が分からない」
「集客・人材に関する相談がしたい」
など、お一人で悩まずに、国との制度を活用して専門家に相談してみましょう。
課題解決の専門家を無料で派遣します。
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それではこの記事は以上になります。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。