美容院で働いていると、お客様に予約をキャンセルされたり、ドタキャンされた…という経験はどなたでもある事ではないでしょうか?
これってお客様からしたら、事情があるから仕方ない、また行けば良い、と簡単に考えられているかもしれませんが、実際にはとても困りますよね。
キャンセルやドタキャンに困っている美容院はとても多いと思います。
しかしこちらの都合だけでなく、お客様目線でキャンセルやドタキャンをする理由がわかれば、事前に防ぐことも可能です。
ということで今回は、キャンセルする原因や対策などをまとめましたので、是非ご一読ください!
1.美容院のキャンセルやドタキャンによる損害は意外と大きい!
1-1.美容院のキャンセルやドタキャンは多い!
1-2.キャンセルやドタキャンによる損害ってどれくらいある?
1-3.特に個人で営業する美容院は損害が大きい!
1-4.他のお客様への損害も!
2.お客様が美容院をキャンセル・ドタキャンしてしまうのは何故?
2-1.キャンセルやドタキャンに多い理由は?
2-2.キャンセルやドタキャンをしやすい美容院って?
3.他の業種ではキャンセル・ドタキャンをどう対応しているの?
3-1.最も多い飲食業界では国が動いている!
3-2.キャンセル料を取るホテル業界でも新しい取り組み
4.どんな対策をすれば良い?
4-1.お客様にとってのデメリットを伝える
4-2.事前連絡
4-3.キャンセル料を取る
4-4.適正価格を設定する
4-5.この美容院に行きたい!と思ってもらえる売りやこだわり
1. 美容院のキャンセルやドタキャンによる損害は意外と大きい!
事前にキャンセルの連絡をしてくれればまだ良いものの、連絡なしのキャンセルや、連絡があっても予約の日から近い程、損害が出てしまう可能性があります。
この損害は意外と大きく無視できない、という美容院オーナーの方も多いのではないでしょうか。
1-1. 美容院のキャンセルやドタキャンは多い!
キャンセルやドタキャンは飲食業界に多いイメージがありますが、美容業界でもとても多いです。
最近では、ネットやアプリから手軽に予約が取れるようになったこともあり、その分手軽にキャンセルもできるようになったことも考えられます。
実際に美容業界は、飲食店、病院・クリニックに次いでキャンセルのしやすさが3位となっています。
1-2. キャンセルやドタキャンによる損害ってどれくらいある?
キャンセルの場合、何日か前、または何週間か前に、キャンセルの連絡をいただければ、損害が出ることもないかもしれません。
しかし直前や連絡が無い場合は、予約していた時間がすっぽり空くわけですから、その分が損害となってしまいます。
カットとカラーの予約で、2時間分の時間を空け、1万5千円分の料金だったとしたら、その売上も無しになってしまうのです。
直前だと、よほどの人気店でない限り、その時間を埋めることは難しいですよね。
こういったお客様が月に5人いたとすると、それだけで7万5千円の損害になってしまうのです。
1-3. 特に個人で営業する美容院は損害が大きい!
個人で営業していると、同時に複数のお客様の予約を取ることは難しいですよね。
他の美容師やアシスタントがいない分、全て一人でやらなくてはいけませんから、一人のお客様だけになることが多いと思います。
その分、売上も限界があります。
ですからここでキャンセルやドタキャンをされてしまうと、その売上がなくなり、売上に対する損害の割合は大きくなります。
また、個人で営業する美容院は、一人のお客様の予約しか取れない分、顧客様も理解していて当日に予約をする感覚は少ないですよね。
ですから当日に空いた枠が埋まるということも少なくなります。
そう考えると個人で営業している美容院の損害は、複数の美容師がいる美容院よりも大きくなります。
1-4. 他のお客様への損害も!
キャンセルやドタキャンをされた日時に、他のお客様をお断りしていた…ということってありませんか?
これがなければ、他のお客様がこの時間に予約を取ることが出来たのに!という悔しい思いをした美容師さんも多いと思います。
これは2次被害とも言えます。
他のお客様にもご迷惑がかかっていますし、損害が2倍になります。
そのお客様が他の日時で予約を入れてくれたなら良いのですが、他に行ってしまったり、長い目で見ると大きな損害になります。
2. お客様が美容院をキャンセル・ドタキャンしてしまうのは何故?
では何故、お客様はキャンセルやドタキャンをしてしまうのでしょうか?
お客様の視点で考えてみたいと思います。
2-1.キャンセルやドタキャンに多い理由は?
・体調不良
・急な用事や仕事
・家庭の事情
・予約を忘れていた
以上がキャンセルやドタキャンをする理由で多いのではないでしょうか?
急に風邪をひいてしまったり、インフルエンザになってしまった等、体調不良によって美容院の予約をキャンセルせざるを得ない状況になることは誰にでもありますよね。
また、急に仕事が入ってしまったり、家庭の事情でどうしても行けないということもあると思います。
しかし、忘れてしまったというのは、美容院側からの事前連絡で防ぐことができます。
2-2.キャンセルやドタキャンをしやすい美容院って?
人間の心理として、キャンセルやドタキャンをしやすいと感じてしまう美容院もあるようです。
これは、旅行やホテルなどの予約がキャンセルしにくいと感じる方が多いのに比べ、飲食店ならしやすいと感じる方が多いのと同じではないでしょうか。
キャンセル料がかかる物に比べると、キャンセル料がかからない物は、圧倒的にキャンセルしやすいですよね。
上記で出たように、美容業界はキャンセルしやすいと感じる方が多いようです。
その中でも、お客様がキャンセルしやすいと感じる美容院は、どんな美容院なのでしょうか?
・価格が安い
低価格やお試し価格など、安さを売りにしていると、予約がしやすい分、キャンセルもしやすいと考えられてしまいます。
高級なフレンチやお寿司屋さんなどはキャンセルしにくいけど、低価格な居酒屋さんならキャンセルしやすいと感じるのと同じです。
また、お客様も価格の安さだけで選んでいるので、他の美容院に行けば良いと思っています。
そうなると、キャンセルもしやすく、キャンセルしても気まずいという気持ちにならないなどの心理が働き、キャンセルしてしまうのです。
・初めて行く美容院
初めて行く美容院は、まだ美容師やスタッフの方の顔も知りませんし、お客様も知られていません。仲が良くなればなる程、迷惑をかける、気まずいという気持ちになりますが、知らない人なのでいいか!という気持ちになってしまいます。
また、数え切れないほど美容院はあるので、他の美容院にすればいいやという気持ちにもなりますから、初めてだとキャンセルがしやすいのです。
・共通して言えるのは、「この美容院じゃなくても良い」ということ
どれにも当てはまりますが、この美容院じゃなくても良いと感じている美容院は、キャンセルしやすいです。
この美容院に行かなくても、他で良いと感じているので、キャンセルしやすくなります。
逆に、この美容院じゃないとだめ!と思っていれば、キャンセルもしにくく、やむを得ない事情ができてもキャンセルではなく、日時の変更をしますよね。
3. 他の業種ではキャンセル・ドタキャンをどう対応しているの?
どの業界でもキャンセルやドタキャンは多いもので、様々な業界の方を悩ませています。
先程も出ましたが、やはりネットでの予約が当たり前になってきた昨今では、キャンセルもしやすく、罪悪感が薄いようです。
では、美容院以外の、他の業界では、どのような取り組みをしているのでしょうか?
3-1.最も多い飲食業界では国が動いている!
キャンセルやドタキャンが最も多いと言われる飲食業界では、先日「No show対策レポート」というものが経済産業省により発表されました。
これによると、無断キャンセルによる飲食店の損害額は年間2000億円にも上るようです。
この損害を、経済産業省が様々な関係各所と連携し支援していくために、対策などを発表しました。
国も動き出すというのは、なかなかすごいですよね!
このレポートでは、損害を受けた場合に、料金の請求ができるとしていますが、キャンセルやドタキャンを防ぐ対策も明記されています。
・ITの活用
予約システムを導入し、SMSを使い予約日の前に連絡する
・キャンセルの連絡をしやすくする仕組みを作る
・事前決済や預かり金の導入
これらがキャンセルやドタキャンを防ぐ対策として効果的と紹介されています。
3-2.キャンセル料を取るホテル業界でも新しい試み
ホテル業界では、キャンセル料を取ることは当たり前となっていて、キャンセルしづらいイメージがありますが、それでも多くあるようです。
特に最近では、インバウンドによる損害も多発しているようで、キャンセル料を設定していても、実際に外国の方から回収するのは難しいようです。
ホテル情報サイトなどを経由した予約が多いため、そのサイトの規定に合わせたり、サイト側がキャンセル料の請求をしてくれなかったりなどがあるようです。
そんな中、キャンセルする消費者側が、第三者に予約の権利を売る「Cansell」というWEBサービスがリリースされました。
これは、消費者側にとっては、キャンセル料の支払いを抑えることができるメリットがあります。
ホテル側としても、キャンセルされないのでメリットとなります。
4. どんな対策をすれば良い?
では、美容院ではどのようなキャンセル・ドタキャン対策が効果的なのでしょうか?
4-1.お客様にとってのデメリットを伝える
予約を取る際や、何度かキャンセルやドタキャンがあったお客様に対して、きちんとデメリットを伝えることも大切です。
デメリットは、今後予約が取れなくなる可能性があるということや、キャンセル規定があればそれを伝える必要があります。
美容院側が困るというよりも、お客様にとってデメリットですという伝え方をすると効果的です。
4-2.事前連絡
これは既に様々な業界で行われていますし、実施している美容院も多いと思います。
事前に連絡をしていれば、予約を忘れていたということは防げます。
実際に事前連絡を行うだけで、キャンセル率が大幅に減少している美容院も多くあります。
一人ひとりに連絡をするのは面倒だし、そんな時間はない!という美容院も多いと思います。
しかし最近では、予約システムの中に、予約の前日や2日前などに自動的にメールやSMSなどを送信してくれるものもあります。
これらを使えば、連絡する手間も省けますし、連絡忘れも防ぐことができます。
4-3.キャンセル料を取る
キャンセル料を取る美容院は少ないですが、キャンセル料を取る規定を作ることで、キャンセルやドタキャンを防ぐ効果はあります。
キャンセル料には、当日のキャンセルだと100%、前日だと80%というような、ホテルのキャンセル規定と似たものもあります。
他にも一律のキャンセル料の美容院や、何回以上のキャンセルでキャンセル料が発生するなど、規定内容は様々です。
しかしキャンセル料を取ることは、キャンセルやドタキャンを防ぐ大きな効果がありますが、同時にお客様が予約しにくいというデメリットもあります。
人気店や、そういったお客様には来てほしくない!と考えていれば良いのですが、たくさんの美容院があるので、そこまで出来ないという美容院も多いと思います。
ですから、今の美容院の現状と今後をきちんと考えた上で、キャンセル料を取るか?決めなくてはいけません。
4-4.適正価格を設定する
上記で出た、キャンセルしやすい美容院にもあったように、価格が安いとキャンセルしやすくなります。
安さで集客を集めることもあるとは思いますが、それだけに頼りすぎるのではなく、適正価格を設定することも大切です。
ご自分の美容院が他の美容院と比べて、安すぎないか?を調査してみるのも良いかもしれません。
また、美容院の価格は、価格<価値となっていれば、高めに設定していてもお客様は来てくれます。
お客様に価格以上の価値を提供できる美容院を目指すことも大切です。
4-5.この美容院に行きたい!と思ってもらえる売りやこだわり
こちらもキャンセルしやすい美容院で出たように、この美容院じゃなきゃだめ!と思って頂けるようになることが大切です。
他の美容院でも良いとお客様が感じていたら、キャンセルしやすくなります。
その為には、技術や接客など美容院の売りやこだわりを持っておくことが必要です。
それがお客様にきちんと伝わっていれば、必然的に安さ勝負で集客することも少なくなります。
そうなれば価格の面でも、キャンセルしやすい美容院になることを防げます。
価格でも出た、価格以上の価値というところを、大切にしてください。
いかがでしたか?
キャンセルやドタキャンは、美容院にとって意外と大きな損害になりますよね。
色々な対策をしても、なかなか防げずに困っている美容院もあると思います。
美容院の都合だけでなく、お客様目線でキャンセルする理由を知っておくことも大切です。
また、他の美容院ではなく、この美容院に行きたいと思っていただけることは、キャンセルやドタキャンを防ぐ効果は大きいです。
キャンセルやドタキャンを完全に無くすことは難しいかもしれませんが、是非参考にしてみてくださいね!