
美容師を長くしていれば、嫌なお客様や苦手だなぁと感じるお客様に遭遇することってありますよね。
これは接客業であれば、どんな業種でもあることですが、だからといって諦めてしまうのも実はもったいないことなのです。
嫌なお客様でも、上手に接して対応することで、嫌なお客様を好きなお客様に変えることができます。
それができたら素晴らしいことだと思いませんか?
それを実現する為にどうすれば良いのか?まずは、どんな嫌なお客様がいるのか?を予め知っておくことが大切です。
私のクライアントの美容師さんや、巷の美容師さんから聞いた『よくいる嫌なお客様』について調査してまとめました。
その中のいくつかは対処法も紹介します。
嫌なお客様についてよく知っておき、心構えをしておくことも大切ですので是非ご一読ください。
1. いつも遅刻をしたり、無断でキャンセルしてくるお客様は嫌
2. 注文が雑で分かりづらいお客様は嫌
3. カット中やシャンプー中に頭を動かすお客様は嫌
4. タートルネックやパーカーなど、施術しづらい服を着てくるお客様は嫌
5. 無茶な注文をしてくるお客様は嫌
6. ずっと話しかけてくるお客様は嫌
7. 勝手に撮影をするお客様は嫌
8. 自分でカットやカラーなどをしてくるお客様は嫌
9. 「安くならない?」と言ってくるお客様は嫌
10. うるさいお客様は嫌
11. 必ずやり直しをしに来るお客様は嫌
12. 友達や恋人と一緒に来るお客様は嫌
1. いつも遅刻をしたり、無断でキャンセルしてくるお客様は嫌
お客様によっては、いつも遅刻をしたり、無断でキャンセルしてくるお客様がいますが、美容師側としては嫌ですよね。
体調や、交通事情など、遅刻やキャンセルの事情にも様々な理由があると思います。
しかし、お客様が事前に連絡をしてくれれば良いのですが、無断で10分以上の遅刻やキャンセルをするのは、他のお客様にも迷惑がかかってしまいますし、その日のタイムスケジュールも狂います。
それに出来るだけたくさんのお客様の予約を入れたい美容室・サロン側にとっても、その時間に他のお客様の予約を入れる事も出来た・・・などたくさんの問題が発生してしまいます。
ではこういったお客様に対して、どのような対応をすれば良いのでしょうか。
美容室によってはキャンセルをしたお客様に、キャンセル料をいただくというシステムにしている美容室もあると思います。
しかしこれは、次から次に新規のお客様が来店する有名店や人気店では可能なことかもしれませんが、普通の美容室ではなかなかできることではないですよね。
お客様が予約を取りづらくなるリスクがあり、ならば他の美容室に行こうとなる可能性も出てきます。
これは美容師側としては避けたいですよね。
ではキャンセル料をいただかず、遅刻やキャンセルをするお客様への対応は?
まずは遅刻やキャンセルにも種類があると思います。
5分程度遅れてくるお客様、10分以上30分程度遅れてくるお客様。キャンセルにも、当日キャンセルや前日、一週間以内でのキャンセル。
そして、お客様によっても変わってくると思います。新規のお客様と長くご愛顧いただいているお客様。
では5分程度遅れてくるお客様にはどのような対応をするのが良いでしょうか。
まずはリピーターのお客様。そういったお客様は、大体いつも遅刻される場合が多いですよね。
小さなお子様がいたり、いつも忙しそうとか、そういったことをきちんと把握しておくことが大切です。
把握しておけば、いつも5分程度遅れるのですから、予約を入れる際もそれを前提で少し余裕を持って入れておきましょう。
次に新規のお客様。
新規のお客様の場合、道に迷っている可能性も考えられます。ですから到着した際は、笑顔で迎えると良いと思います。
新規のお客様でもリピーターのお客様でも言えることですし、予約を承る際に伝えると効果的なのは、「遅れる時間によってはお客様の時間が減り、ご希望のメニューに沿えない場合があるのでお気を付けください。」と丁寧に、遅刻されると美容室側が迷惑なんだというより、お客様にとってマイナスになることをお伝えしましょう。
30分程遅れるお客様に対しては、リピーターのお客様でも新規のお客様でも、日時の変更やメニューの変更をお伝えします。
そうしないと次のお客様にご迷惑をお掛けすることになります。
しかし、これがリピーターのお客様で何度も起こっている場合は、「今後こういったことが続くと、お客様のご予約が取れなくなるかもしれません。」と伝えてしまうのも手です。そうすることでお客様も危機感を持ち、改善していただけると信じましょう。
それでも改善されなかった場合は、「お客様のご予約はお取りかねます。申し訳ありませんが、ご希望日の当日にご連絡いただき、空いていればという形でもよろしいでしょうか?」とハッキリお伝えするなどの策も良いと思います。
これでお客様が去ってしまう可能性ももちろんありますが、他のお客様にご迷惑をおかけしたり、このお客様が取っていた予約分で他のお客様が予約を取ることもできます。それは予約が空いてしまうというリスク回避にも繋がるのです。
次にキャンセルされるお客様。
リピーターのお客様でよくある場合は、上記のようにハッキリとお伝えすることが美容室・サロンにとっても、他のお客様にとっても良いと思います。ずっとそういったお客様を受け入れていては、美容室・サロンも上手く回りませんし、きちんと予約通りに来店されているお客様にも失礼です。
2. 注文が雑で分かりづらいお客様は嫌
「とりあえず短めで」「カラーは明るめで」「自分に似合う感じで」などの注文をしてくるお客様は、ざっくりとした注文で嫌になると思います。
また、芸能人の「○○さんみたいに」といった注文も、芸能人もいつも同じヘアースタイルというわけではありませんから、曖昧で分かりづらいと思います。
付き合いの長いお客様であれば、ざっくりとした注文でもお客様の好みや職業など、美容師側も分かると思います。しかし初めてのお客様や、あまり付き合いの浅いお客様だと、分かりづらい注文は美容師としても困ってしまいます。
こういった注文が雑で分かりづらいお客様への対処法
似合う感じでと言ってくるお客様は、美容師任せにしたいと考えているお客様も多いです。ですが“全くこだわりがない”というお客様は意外と少ないのです。新規のお客様の場合、そのお客様の“こだわり”を引き出してあげなければなりません。
“こだわり”を引き出すキーワードや方法「いつも読んでいる雑誌はありますか?」「毎朝のセットの時間はどれくらいですか?」
こういったキーワードでお客様の“こだわり”を引き出した上で、美容師としての提案をしていきましょう。
「○○さんはすごく可愛らしい雰囲気をお持ちなので、△△がとてもお似合いになりそうですが、いかがですか?それか大人っぽさを出すならば、△△がオススメですよ。」とお客様に提案する時に、○○さんだから似合う、ということを理由も入れて伝えることで、お客様も聞く耳を持ちますし説得力も増します。なにより嬉しいですよね。自分のことをわかってくれているという、安心感にも繋がります。
3. カット中やシャンプー中に頭を動かすお客様は嫌
カット中にお客様が大きく頷いて会話をする、頭を下げて雑誌を読むなど、カット中に頭を動かすお客様も多いですよね。カット中は、ハサミを使っているので危ないですし、美容師としては上手く施術ができず嫌になりますよね。
また、シャンプー中に美容師が頭を支えている時に、気を遣って頭を浮かせるお客様も多いようです。これはお客様の背中にお湯が流れてしまう、といったことになりかねないので嫌ですよね。
頭を動かしてしまうお客様には、「申し訳ございませんが」などの言葉を入れた上で、「ずっと椅子に座ってじっとしてるのって大変ですよね」と共感を挟みながら、「ただ動いてしまうとラインが崩れてしまうので」とお客様にとってマイナスになることをお伝えし、お願いしましょう。
こういったお客様が頭を動かしてしまうのは何故なのかを考えることもとても大切です。
首などに切った髪が貼り付いてかゆい、後ろのラインを見ようとしている、といった可能性もあります。
「少しストレッチしますか?」など、お客様の感じていることを引き出すための提案をしてみるのも良いと思います。
4. タートルネックやパーカーなど、施術しづらい服を着てくるお客様は嫌
美容師から見てお客様が着ている服で、施術しにくいから嫌だと感じる服があると思いますが、その代表格がタートルネック。
お客様の首元が隠れていると、バランスが分かりづらくカットが難しいです。また、ケープも付けづらく、汚してしまいそうといった理由で嫌がる美容師も多いと思います。
パーカーもお客様が着ていると施術がしづらく、嫌だと感じる美容師がいます。お客様がパーカーを着ていると、切った髪がフードに残ってしまう、シャンプー中に襟足が洗いにくくフードが濡れてしまう心配もあり、美容師は嫌だと感じるようです。
5. 無茶な注文をしてくるお客様は嫌
お客様の中には、無茶な注文をしてくる方も多く、あまりにも無茶な注文は美容師としても嫌ですよね。
例えば、髪がとても傷んでいるお客様。そういう方が「ブリーチをしたい」「パーマをかけたい」などの注文をするのは、美容師にとっては嫌です。なぜなら、髪が切れてしまう、チリチリのパーマになってしまうなどの問題があるからです。
お客様のご要望には「○○さんって本当に素敵なセンスをお持ちなので、出来るだけ近い仕上がりにしたいですよね」と一度受け入れて、尊重することも大切です。
その上で、「だけどその通りにすると△△になってしまうんです。それだと理想形と離れてしまいますよね。○○さんの理想にできる限り近づけて、現実的な形だとこういったスタイルになりますが、いかがですか?」と美容師目線でお客様のマイナスをしっかりと伝え、お客様のご要望と現実を最大限に満たせる提案をしましょう。
それでも満足されないようであれば、「○○さんの理想形をそのままで仕上げていきますね。そうなると先程お伝えしたデメリットもありますが・・・」ともう一度注意点をお伝えしましょう。
6. ずっと話しかけてくるお客様は嫌
施術中にずっと美容師さんに話しかけてくるお客様がいますが、これも美容師によっては嫌なことがあります。美容師は、他のお客様と掛け持ちしながら施術をしたり、カラー剤の準備をしたりなど、常に一人のお客様に付きっきりにはなれません。
また、みんなが知っていて当たり前と思って、担当の美容師が知らない話題をずっとしてくるお客様もいます。美容師も接客業ですから、話を合わせたりするとは思いますが、それを施術中に延々とされるのも嫌ですよね。
7. 勝手に撮影をするお客様は嫌
最近増えている嫌なお客様が、施術中に勝手に撮影をするお客様。YouTuberやブロガー、インスタグラマーなど、SNSを使い誰でも発信できる時代だからこその悩みです。
きちんと美容室・美容師の許可を得て、他のお客様が映らないようになどの配慮ができているお客様もいると思います。しかし中には、何の断りもなく勝手に撮影を始めるお客様もいるようです。そういうお客様は美容師も嫌ですし、他のお客様のご迷惑にもなりますよね。
8. 自分でカットやカラーなどをしてくるお客様は嫌
お客様が自分でカットやカラーをして失敗してしまい、美容師に整えてもらおうと、美容室に来るお客様もいますが、これも美容師としては嫌ですよね。
お客様が自分でカットをして、ジグザグになってしまったお客様の髪型を修正するのは、いくらプロの美容師でも難しいですからね。
また、お客様が自分で黒染めをした後に、カラーをして欲しいというのも、美容師としては嫌ですよね。黒染めの後は、色ムラが出やすく、綺麗に染まらなかったりします。それにお客様の髪が絶対に傷んでしまうので、美容師としては避けたいと感じると思います。
9. 「安くならない?」と言ってくるお客様は嫌
お客様の中には「安くならない?」と言ってくるお客様もいますが、美容師としては嫌ですよね。
カットやカラーがお客様の思っていた通りになっていないとか、施術時間が予定より遅れたから、などと言ってくるお客様もいると思います。美容師も神様ではありませんから、お客様の思っていた通りの髪型やカラーに仕上がるかはわかりませんし、お客様の髪質や傷み具合ではお客様の思っていた通りにならない場合もあります。また、美容師とお客様の意思の疎通がきちんと出来ていなかった、なんてこともあるかもしれません。
施術時間に関しても、予定の時間というだけで、必ずその時間に終わるというわけではありません。しかし美容師の中には、「安くすればまた来てくれるかも?」と思って、安くしてしまう美容師もいるようです。
10. うるさいお客様は嫌
美容室ではほとんどのお客様がリラックスして過ごしていると思いますし、美容師側もお客様がリラックスできるように心がけていると思います。
しかし、そういった美容室・サロンの雰囲気をぶち壊すほど、うるさく大声で話すお客様もいます。こういったお客様は、働いている美容師だけでなく周りのお客様も嫌ですよね。
また、お客様の携帯電話に着信が入り、通話相手と大声で話したり、中には大声で怒鳴ったりするお客様もいるようです。美容室での通話は絶対にだめだというわけではありませんが、周りのお客様もいますし、マナーとして通話はしないものです。しかも大声で怒鳴るなんてもってのほか。
美容師側がいくらお客様のリラックスできる空間づくりを心がけていても、そういうお客様がいたら何の意味もありません。
11. 必ずやり直しをしに来るお客様は嫌
だいたいの美容室では、施術後一週間以内であれば、お客様が気に入らなかったり、帰宅後に「あれ?」と気付いた部分などのお直しをしていると思います。
しかし中には、『必ず』お直しをしに来るお客様もいるようです。美容師としても責任を持って施術していますし、それでも気に入らなかった場合は、気持ち良くお直しの対応をしていると思います。
ですが、お直しをしてもらうのが当たり前と思っているお客様もいるようで『お直し前提で来店されるお客様』には、美容師としても嫌ですよね。また、お直しの予約が入った場合、予約で埋まっていても対応しなくてはいけませんから、スタッフの少ない美容室だとスケジュールをやり繰りするのも大変です。
12. 友達や恋人と一緒に来るお客様は嫌
お客様の中には、友達や恋人と一緒に来店されるお客様もいます。待合室や、少し離れた待合席などで待っていただく分には構わないと思います。
しかし隣の席に座ったり、美容師の真横で手元をジッと見ているなんてこともあるようです。施術をしている美容師からすると、施術に集中できませんし、横から口出しされたりすると、とてもやりづらくて嫌ですよね。
いかがでしたでしょうか?
人によって「すごく嫌!」「別に嫌じゃない」と分かれるものもあったと思いますが、多くの声を聞くパターンをまとめました。
美容室には様々なお客様がいらっしゃいますので、いつも好きなお客様ばかりではなく、嫌なお客様と感じることもあります。そういったお客様を美容師の対応一つで、好きなお客様へ変えることができれば、美容室・サロンにとってもすごく良いことですよね。
嫌なお客様を嫌なままにせず、好きなお客様に変えられるように頑張りましょう!笑