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美容師の独立後の年収と収入アップ

美容師の独立後の年収と収入アップ

美容師さんの中で独立したいと考えている方は多くいらっしゃると思います。
独立し年収を上げたい、自分の好きな美容室・サロンを作りたい!などの理由があると思いますが、不安も大きいですよね。

独立後の年収はどうなるのか?
実際に独立する為にはどうすればいいのか?

今回はそのような美容師さんの悩みを解決するため、独立に必要な準備や、独立後の年収についてまとめました!

 

 

1. 独立することのメリットとデメリット

まず、今美容室・サロンで働いて上手くいっているけど、そこを辞めてまで独立するメリットはあるの?と考えている方も多いと思いますので、独立のメリット・デメリットから書いていきます!

 


1-1. 独立のメリット

独立のメリットとして一番に上げられるのは、自分のやりたいと思う理想とする美容室・サロンを作れることや、大きなやりがいでしょう。

後ほど独立の種類をご紹介していきますが、オリジナルサロンを作る場合、一から全て自分で決めます。
インテリアやメニュー内容、シャンプーはどれにするか、どんな接客をするかまで自分の好きに決めることができます。

また、雇われている頃には味わえなかったやりがいも感じることができます。
もちろん普通に美容師をしていてやりがいを感じる場面はたくさんあるとは思いますが、独立しオーナーとして働くことでしか感じられないこともあります。
オープンの時や、売上を達成した、だけでなく、スタッフの育成や経営戦略など、様々な場面でやりがいを感じることができるでしょう。

そのようなやりがいを感じ、雇われている時に感じられないことを感じるということは、今まで気付かなかったことに気付けるようになったということです。
それは視野が広くなり、自分自身の成長がした証でもあります。

また、やはり収入の面でもメリットもあります。
今までは売上に対していくらかの歩合給をもらい、それを時給に換算し…と嫌になっていた美容師さんも多いと思います。

しかし独立が成功すればもちろん収入も上がります。

 


1-2. 独立のデメリット

反対に独立することでのデメリットはどのようなことがあるのでしょうか?

自分の好きなように美容室・サロンを運営できる反面、大きな責任が伴います。そして全て自分の責任で、責任を負うのも自分です。

売上がなければ、当然収入もありません。今まで当たり前だった固定給はないので、ゼロです。しかし売上がなくても経費はかかります。
そう、ゼロではなくマイナスになるのです。

これが美容師さんが悩む一番のデメリットではないでしょうか。

 

2. 美容師が独立するには?

ここからは美容師が独立する為に必要なことをご紹介します。
独立にはたくさんの準備が必要になります。
その中でも特に大きな準備を書いていきます。

 


2-1.必要な資格

美容師免許があれば、美容師として働くには特に何も必要ありません。
独立に関しても特に必要ではありませんが、従業員を雇おうと考えていたり、今後雇う予定であれば必要になる資格があります。

管理美容師

この資格は、美容師が2人以上の美容室・サロンで必要になります。
3日間講習を受講することで取得できるので、難しくはありません。
しかし、年に2回の開催で定員に達すると受講できず、応募期間の短い地域もあるため、最初は従業員を雇う予定でなくても、取得を視野に入れておいても良いでしょう。

 


2-2.資金

どうしてもお金はかかってしまうもので、ここで悩む方や断念する美容師さんもいるかもしれません。
立地条件や内装費用などでバラつきはありますが、1000万円~2000万円程かかるようです。

金融機関からの融資を考えている方がほとんどだと思いますが、信用がなければ融資も難しく、信用を図る上で融資額は自己資金の2倍という基準があります。
ですから、自己資金はある程度必要と言えるでしょう。

前もってどこに、どんな美容室・サロンにしたいか、その為の資金はいくら必要なのか、その金額の融資を受ける場合には自己資金がいくらあれば良いのか、などの計画を立てておくことで、理想とする美容室・サロンに近付くことができると言えます。

また、開業だけのことを考えてお金を用意しても、開業後に困ってしまいます。
開業後の資金もきちんと考えておかなければなりません。

営業にかかる経費や人件費、集客のための広告費など、開業後にどれだけ必要なのか、また収支のシミュレーションをしておくなど、お金に関する計画は必要不可欠です。

 


2-3.物件

物件選びも独立する上でとても重要になります。
とにかく人気の場所がいい!と思っていても、実際には家賃も高く、ライバルの美容室・サロンも多いなど、必ずしも人気のエリアが良いというわけでもありません。

まずは自分のターゲットとするお客様はどのような方なのか、を考えて物件選びをする必要があります。
ターゲットとするお客様が決まれば、どの辺りに住んでいるのか、働いているのか、などある程度エリアを絞ることができます。

また、競合店はどれくらいあるのか、アクセスしやすいか、なども考慮しエリアを決めなくてはなりません。

エリアが決まれば物件ですが、ここでも1階なのか、2階や地下なのか、など悩むポイントも多いと思います。
できるだけターゲットとするお客様が多く通るような場所が好ましいでしょう。

 


2-4.補助金

補助金や助成金は、多くの美容室・サロンが活用しています。
国から支給され、返済の必要がないため、独立する際にとても助かる制度です。

補助金は、経済産業省が新規事業や拡大などに対してサポートするために給付されます。
審査によって決まるので、きちんとした事業計画を立てておく必要があります。

助成金は、厚生労働省が従業員の雇用関係をサポートするために給付されます。
助成金にも種類がありますが、一定の条件を満たせば給付されるので、従業員の雇用を考えている場合は活用しましょう。

 


2-5.人脈

独立し一人で営業しようと考えている美容師さんもいるとは思いますが、人を雇って出来るだけ大きな美容室・サロンにしたい!と考えている美容師さんもいると思います。

アシスタントやスタイリストを雇うことで、一人営業では取りきれなかった予約を取ることも可能になるので、それだけ売上が上がる可能性もあります。
しかしその分、人件費がかかることも頭に入れておかなければなりません。

スタイリストである程度技術力も集客の力もあればとても有難いですが、なかなかそういった人材に出会えるとは限りません。
これまでは雇われていた立場で、後輩の指導もしてきた経験もあるとは思いますが、独立し経営者として、技術だけでなく様々な面からスタッフを指導していかなくてはいけません。

技術指導セミナー

そういった人材を育てながら営業することも考え、事前に収支のシミュレーションをし、雇える人数やアシスタントなのか、スタイリストなのか考えなければいけません。

また、スタッフの人材だけでなく、様々なところで人脈は役に立ちます。
独立後の集客や、内装や経営のことなど、美容師とは関係ないと思っていても、思わぬところで助けられることもあります。
ですから普段から人脈を広げることは大切です。

 

3. 独立の種類

一言で独立と言っても、様々な形態の美容室・サロンがある最近では、独立にも種類があります。
ここでは4つの種類をご紹介していきます。

 


3-1.オリジナル

ほとんどの美容師さんがまず想像するのが、このオリジナルサロンだと思います。
このオリジナルサロンは、全てを自分で決めます。
ですから、理想の美容室・サロンにすることが可能です。
その分、初期費用がかかるのも事実です。

 


3-2.暖簾分け

今まで働いてきた美容室・サロンと契約し、ブランド名などを利用し開業する方法です。
しかし、ロイヤリティを払ったり、開業の資金はオリジナルサロン同様にかかります。
中には独立支援制度がある美容室・サロンもあるので、その場合は初期費用を抑えることも可能です。

初期費用はオリジナルサロンと同じくらいかかり、ロイヤリティも払ったりなどでお金がかかる心配はありますが、ブランド名を使用できることで集客が見込めるメリットがあります。
また、店舗運営のノウハウなども使用できるので、オリジナルサロンに比べ、独立後の安定があります。

 


3-3.フランチャイズ

基本的には暖簾分けと変わりませんが、今まで働いたことのない美容室・サロンとの契約になります。
今まで働いたことのない美容室・サロンのため、知らない相手ということもあり、契約は慎重にきちんと内容を把握しておくことが大切です。

 


3-4.パートナーシップ

開業する美容師と、資金の準備や運営のサポートを行うパートナーとで、役割を分ける形の方法です。
こちらもきちんと契約内容を確認しておかないと、トラブルが発生する場合があります。
しかし、初期費用抑えることができたり、パートナーに運営の相談ができるメリットもあります。

 

4. 独立した後の収入は?

では、実際に独立したら収入はどれくらいになるのでしょうか?
また収入と言っても、売上が全て収入になるわけではありませんので、店舗運営を行う上でかかってくる費用も合わせてご紹介していきます。

 


4-1.売上と経費

売上は先程も出ましたが、人材をどれくらい雇うかで変わってきます。
スタッフが多ければ、それだけ予約を入れることができるので売上も上がります。

美容室・サロンを運営する上で、様々な経費がかかります。
人件費以外にも、家賃、水道光熱費、美容材料費、広告費や雑費などがあります。
また、機器のリースをすることが多いと思いますので、リース代もかかってきます。

これらは売上に対して40%程度と言われています。
人件費は35%程度。

この残り約20%が収入となります。
100万円の売上の場合、20万円となります。年収にして240万円。
実際にこの収入がやっとという、オーナーは多いようです。

月収30万円(年収360万円)が、独立が軌道に乗ったと言える目安と言われていますが、それには毎月150万円の売上が必要になります。
人を雇う予定がなければ、人件費をカットしもっと少ない売上で見積もれます。

150万円の売上を上げる為には、定休日を考えて一日に約6万円の売上が必要ということになります。
6万円の売上を上げるには、単純計算で1万円のお客様が6人来店するということになります。
立地やターゲット層により、料金設定やメニュー内容は変わってくると思いますので、6人以上の来店を目指さなければなりません。

 


4-2.独立後の年収

年収360万円じゃ、今の収入よりあまり上がってない!と思っている美容師さんもいるとは思います。しかもこの金額は軌道に乗ってきた目安ですので、それ以下も大いにあるのです。
では独立後の年収はみなさんこれくらいなのでしょうか?

もちろん成功し、年収1000万円やそれ以上に稼いでいる美容師もいます。

しかしそれはひと握り、というのも現実。

平均のデータは出ていませんが、独立後の年収が400万円以上ある美容師は1割と言われています。
反対に年収400万円以下は8割。
独立したからといって、必ずしも大きく収入が上がるというわけでもありません。

 

5. 独立後、どうやったら収入が上がるのか?

独立に成功し収入を上げる厳しさはわかっていただけたと思いますが、お金や時間をかけせっかく独立できても、これでは夢が広がりませんよね。
では、何をすれば収入を上げることができるのでしょうか?

 


5-1.売上確保

まずはやはり、売上です。
売上を上げないことには、収入には繋がりません。

美容室・サロンに勤務していた頃とは違い、上限がなく売上が上がれば上がる程取り分も大きく変わります。

しかし売上確保のために、ただ料金を上げれば良いというわけでもなく、集客のためにただ料金を下げれば良いというわけでもありません。
このバランスがとても難しいですよね。

売上は、客数と客単価で決まります。
このどちらも上げることが出来れば、売上が上がり収入に繋がります。

独立後は新規のお客様が来店するために、色々な取り組みを行うと思います。
広告を打ったり、オープン割引など…
その時に集客があっても、それが続かなければ意味がありません。
要はリピーターにする力がなければ客数は伸びていきません。

独立後のオープンで広告に費用を沢山かけられたとしても、その広告費をオープンと同じだけかけるのは実際に難しいからです。
売上がなければ広告費も出せません。

ですからまずは、リピート率に力を入れる必要があります。
リピーターを増やすには、特典やポイントカードなど、様々な戦略があります。
もちろん技術や接客力も重要ですが、独立するとそれだけに目を向けているわけにもいきません。
それが経営戦略です。

 


5-2.人材確保

そして次に大切なのが、人材の確保です。

一人でやる場合はいいのですが、売上を上げて収入を上げたいと考えているならば、スタッフの雇用は不可欠です。
スタッフがいないと客数を上げることができないですからね。

しかし美容業界で人材不足が叫ばれている現状もあり、人材確保はとても難しくなってきています。
特に、独立したばかりの小規模の美容室・サロンは求人広告を出しても、なかなか応募がこないこともあります。

ご自身が美容師として初めて就職活動をした際のことを思い出してください。
まだオープンしたばかりの名前も知らない美容室・サロンではなく、有名ではなくても知っている美容室・サロンを選んだと思います。
それと同じように、オープンしたばかりの知らない美容室・サロンは、なかなか就職したいと思ってもらうことが難しいのです。

ですから、上記に出た人脈はとても大切になります。

また、実際にスタッフを雇ったとしても、すぐに辞めてしまうといったケースも多くあるようです。
これも小規模の美容室・サロンによく見られることですが、同僚や先輩スタッフなどがおらず、楽しく仕事ができなかったり、相談する相手がいなかったり、などの理由があるようです。
実際にオーナーと2人きりの美容室・サロンで働くのは気まずい…と考える美容師さんも多いようです。

こういったことから人材確保は独立後の大きな悩みの一つと言えるようです。

ですから、人材確保に力を入れ、働きやすい環境を作ることが大切になります。
独立したとは言え、美容室・サロンはチームで成り立っているということを理解しておかなければなりません。

 

いかがでしたか?
美容師さんが独立するために必要なこと、独立後の収入などに関してご紹介していきました!

独立したいと考えている美容師さんの中には、これを読んで不安になった…と感じている方もいるかもしれません。
確かに、美容師の独立というのは簡単なものではないですし、必ず収入が上がると言い切れるものでもありません。

しかしその分、メリットも大きいと言えます。
収入はもちろん、やりがいや達成感など、雇われているだけでは感じられないことがたくさんあります。

今の収入を上げたい!と考えていたり、スキルアップしたい!と考えていれば、ご自分に合った方法で独立を考えてみるのもいいかもしれません。

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