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サロン開業の届けと手続き【最新版】

サロン開業の届けと手続き【最新版】

サロンの開業を考えていれば、手続きって何があるの?という方は多いと思います。

そこで今回は、サロンの経営者や働いている方に必要な届けなどをまとめました!

これからサロンの開業を考えている方だけでなく、既にサロンを開業している方にも関係のあることもありますので、是非ご一読ください。

 

1.開業届け

サロンを開業している方なら聞いたことがあるはずの開業届けですが、自宅サロンや個人サロンの方でも関係のあることです。

ここで詳しくご紹介していきます。

 


1-1. 開業届けとは?

サロンを開業した時に提出するものです。

また、あまり関係ないと考えているかもしれませんが、美容室・サロンに雇われているわけではない業務委託サロンなどの方も、個人事業主となります。
ですからその場合も提出が必要になります。

 


1-2. 必ず提出すべき?

サロンを経営している方や業務委託サロンなどの方で、提出していないという方も多いと思います。
開業届は提出しなかったからといって、何か罰則があるわけでもありません。

特に支障はありませんが、ルールとしては提出しなければなりません。
また、メリットもあります。

 


1-3. メリット

特に支障がないなら面倒だし出さなくてもいいや…と考えているサロン経営者の方も多いでしょうが、提出することでメリットがありますのでご紹介していきます。

 

1-3-1.青色申告

以下で詳しく説明しますが、確定申告の際に提出する申告書の種類です。
個人事業主となると、確定申告をしますが、種類があります。

青色申告は節税対策になります。
事前に青色申告承認申請書の提出が必要になりますが、これには開業届けが前提となっています。

 

1-3-2.サロン名義で銀行口座が開設できる

提出していれば、サロンの名前で銀行口座の開設ができます。
個人サロンなどの小規模なサロンでは、ご自分の名義の口座を使っている方も多いと思います。
しかし、ご自分のプライベートな資産管理と混ざってしまいますし、サロンの数字の管理をする時にも便利です。

 

1-3-3.信用が得られる、モチベーションが上がる

個人サロンなどの場合、会社を設立するわけではないですよね。
ですから提出しておくことで、サロンのお客様や取引先からの信用が得られるひとつとなります。
また、融資などを受ける時にも出しておいた方が良いでしょう。

 

そして自分自身のモチベーションも上がりますよね。
開業したことの証にもなるので、良い意味で意識も変わってきます。

 


1-4. デメリット

では逆に、デメリットは何かあるのでしょうか?
※デメリットがあるからといって出さなくて良いというわけではありません。

 

1-4-1.失業保険が受け取れなくなる

失業保険とは、リストラや契約満了などの理由で離職した場合に、再就職を支援する制度のことです。
金額は年齢や再就職するまでの日数によっても違います。

開業したということは、働いていることの証になるので受け取れなくなります。
受け取ることで不正受給となってしまいます。

 

しかし離職してから再就職するまでの期間が短ければ、再就職手当というものが支給されます。
開業でも対象になるようです。

失業保険が受給できるかは、離職理由や離職してからどれくらいの期間が経過しているかにもよって違うので、該当するかもしれないという方はお近くのハローワークの窓口で確認するのが良いです。

 

1-4-2.確定申告をしていないことがバレる可能性も

税務署に対し、サロンの開業をしました!と報告しているわけですから、提出していない人よりも、確定申告をしていないことがバレる可能性も高くなります。

しかし、年間38万円以上の所得があれば、確定申告をしなくてはいけないので、デメリットとは言えないかもしれません…。

 


1-5. どこでもらえるの?

税務署または、国税庁のホームページから入手することができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.html

 


1-6. 開業届の書き方

記入は特に難しいものがあるわけではないですが、事前に用意しておいた方が良いものだけをご紹介していきます。

 

1-6-1.屋号を決める

屋号とはサロンの名前や会社の名前ですが、記入する欄があります。
後日変更することも出来ますし、未定の場合は空欄にしておくことも出来ます。
しかし何度も足を運ぶのも面倒でしょうから、時間に余裕がある場合は決めておいた方が良いでしょう。

 

1-6-2.開業日を決める

これは提出日である必要はありません。
ですからご自分の好きな日を記入することができます。

実際にサロンを始めた日や、初めてのお客様が来店した日、準備を始めた日などでも良いです。
サロンにとっては誕生日のようなものとして、毎年のイベントとするサロンもあります。

 

1-6-3.事業の概要

ここでは出来るだけ具体的に記入し、サービスにかかる費用を経費として認めてもらえるようにすると良いです。

例えば、エステティックサロンの運営
エステティックやリラクゼーションの提供
エステティックイベントへの出店
美容機器や美容商品の販売など。

また、これに「上記に付随する業務」と記入しておくことで、事業内容に幅を持たせることができ、経費として認めてもらえるようになります。

 

1-6-4.職業の記入

職業の記入には特に決まりがありません。
例えばYouTuberと記入しても良いわけです。

しかし記入した職業によって、税率や課税・非課税などが変わる場合があるので注意が必要です。

総務省の「日本標準職業分類」を参考にしても良いでしょう。
https://soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/shokugyou/kou_h2.htm

 

1-6-4.個人番号

マイナンバーカードに記載されている個人番号の記入が必要になります。
カードの紛失や発行していない等があれば、事前に準備しておくことをオススメします。
住民票の発行の際に個人番号の記載を選択することも出来るので、時間に余裕がない場合はそれで確認するのも良いでしょう。

 


1-7. 提出先や注意点

サロンを運営する所在地の管轄の税務署に提出となります。
以下から税務署を検索することができます。
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm

 

手数料は特にかかりませんが、税務署にて記入する場合は印鑑の持参が必要になります。
提出後に、サロンの名義で銀行口座を作成したり、融資や補助金などで必要になる場合があります。
ですから、事前にコピーを取るか、2部作成しておくと良いです。

税務署にて2枚提出すれば、受領印を押してくれるので、それを控えとして保管しておきましょう。

郵送にて提出する場合も、2枚用意し、切手を貼った返信用封筒を同封しておくと控えを返送してもらえます。

 


1-8. 期限はあるの?

開業してから1ヶ月以内となっています。
しかし、遅れたからといって何か罰則があるわけでもありません。
ですから、1ヶ月以上経つけどまだ出していない!という方も焦らずに出しましょう。

 

 

2.青色申告

ここからは、上記で出た青色申告について詳しくご紹介していきます。

 


2-1.青色申告とは?

確定申告の際に提出する申告書です。
一般的に会社に勤めていれば、確定申告の必要はありませんが、個人事業主となると確定申告の必要があります。

サロンを開業した方も、業務委託サロンなどで個人事業主として働いている方も必要になります。

白色と青色がありますが、節税などお得になるのは青色申告です。

 


2-2.青色申告のメリット

では青色申告がお得になるのは何故なのか、青色申告をすることでのメリットは何なのかをご紹介していきます。

 

2-2-1.青色申告特別控除

青色申告の中で一番有名なのが、この特別控除です。
これは所得に対し、最大で65万円の控除が受けられます。
ですから、最大で65万円分に税金がかからず、節税になります。

これは所得税だけではなく、所得から計算される、住民税や国民健康保険税にも関係してきますから、とてもお得です。

 

2-2-2.純損失の3年間繰越控除

純損失というのは、赤字のことです。
店舗を構えたサロンでも、自宅をサロンとして開業するのも、開業資金はかかりますよね。
サロンの開業資金を回収するのには、何年もかかってしまいます。
お客様がたくさん来ても、開業資金の回収の他にも、集客のためにかかった広告費や様々な経費、給与などを引くと、1年で黒字になるサロンは少ないのではないでしょうか。

こうやって出た赤字を3年間繰り越せるというのが、繰越控除です。
赤字の場合、所得税はかかりません。

 

例えば、サロンを開業して1年目に500万円の赤字が出て、2年目には400万円の黒字だったとします。
1年目は所得税がかかりません。

2年目は400万円の黒字ですが、繰越控除ができるため、
400万円の黒字-500万円(1年目から繰り越した赤字額)=-100万円
という計算になり、100万円の赤字という計算になります。
ですから2年目も所得税はかかりません。

これはとてもお得ですよね!

 

2-2-3.減価償却の特例

サロンの開業で、機器や備品などを購入すると思います。
高額なものの場合、数年に分けて経費として償却しなければなりません。

しかし青色申告では、30万円未満であれば、1年で一括して経費として計上することが可能です。
ですから経費が多い分、所得の額が減り、支払う税金の額も減るということです。

この30万円未満というのは、例えばサロンで使用する機器など、一つが30万円未満であれば対象になります。
機器や備品など全てを合わせた合計額ではありません。
しかし、年間で300万円までと限度額の設定があるので注意してください。

 

2-2-4.青色申告専従者給与控除

これはサロンで家族に手伝ってもらう場合など、給与を経費にできる仕組みです。
白色申告の場合は、経費にできない代わりに、上限を設けて控除されます。

自宅サロンなど、同居している家族の方が手伝ってくれているなどの場合は、利用することで節税にもなります。
これは事前に申請が必要になります。

また、これを利用することで、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないため、どちらの方がお得になるのかを考慮する必要があります。
年齢や条件によって変わりますが、控除額は年間で38万円です。
この金額を下回る場合は、配偶者・扶養控除の方がお得になります。

 


2-3.事前に承認申請書の提出が必要

個人事業主として働くサロンの方にとっては、たくさんのメリットがある青色申告ですが、事前に承認申請書を提出しておく必要があります。
これは開業届けと同様に、税務署や国税庁のホームページから入手できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

 

サロンを開業したばかりであれば、2ヶ月以内の提出で今年度から青色申告ができます。
ですから、開業届けと一緒に提出するのが良いです。

既に開業してから年月が経ってしまっている場合は、3月15日までに提出が必要です。
今から青色申告にしようとしても、来年度からとなってしまいます。

 

 

3.無料ソフトの活用

開業届けも、青色申告も面倒だと感じているサロンの方も多いと思います。
特に個人サロンでは必要ないかな…と感じている方が多いのが現状です。

難しい!と感じている方や税理士さんに頼むのもなあ…という方も多いと思いますから、ここでは無料で手続きのサポートをしてくれるものをご紹介していきます。

 


3-1.freee

こちらでは、無料で開業届けを作成することができます。
他にも、確定申告の作成などもありますが、有料会員になる必要があります。

迷っている場合は、無料プランや無料期間というのもあるようなので、利用してみても良いかもしれません。

 


3-2.MFクラウド

こちらも無料会員と有料会員がありますが、無料会員で確定申告の作成をすることができます。
しかし無料会員では仕訳に上限があるなどのデメリットもあります。

 


3-3.やよいオンライン

こちらも無料お試しや、1年間無料で利用できるセルフプランがあります。
セルフプランでは有料会員と同様に利用することができますが、セルフであることからサポートがありません。

確定申告などに慣れている方であれば問題ないかもしれませんが、初めての方だと少し不安になるかもしれません。

 

 

4.保健所への届け

サロンの種類によっては、保健所への届けが必要な場合があります。

保健所への届けが必要なのは、国家資格が必要になる施術メニューです。
例えば、美容師は美容師資格という国家資格が必要ですが、まつ毛エクステにも美容師資格が必要です。
そのため、保健所への届けが必要になります。
他にもあん摩マッサージ指圧なども国家資格が必要です。

 

保健所には開業場所が決まったら、内装工事などを始める前に相談にいくのが良いです。
提出書類や衛生面などを確認しておくことで、工事後に困らないようにしておきましょう。

開業の一週間前には提出書類を準備し、提出します。
それから立ち入り検査が行われ、サロンの構造や衛生面・安全面などに問題がないか確認されます。

クリアしていれば、後日確認書が発行される流れとなっています。

 

 

5.消防署への届け

サロンの開業前や、改装などで消防署に届けが必要な場合があるのでご紹介します。


5-1.防火対象物使用開始届出書

これは、サロンを開業する前に届けをしなければなりません。
開業の7日前には届けでる必要があります。
防火設備が基準を満たしているかなどの検査が行われます。


5-2.防火対象物工事等計画届出書

サロンの開業前に内装工事を行ったり、サロンを改装する際などにも届けが必要です。
工事の7日前に管轄の消防署へ提出します。

居抜き物件でサロンを開業したり、間仕切りを変更したりなどの工事で必要になります。
これは元々の避難経路が変更してしまうなどの場合に、安全性の確認をするためです。

 

6.建築確認申請

これは大規模な改装を行う際に必要になる届けです。

壁や柱、床や屋根などの主要構造部分を半分以上改装する場合や、増築する場合にも必要になります。
自宅サロンでも必要になる場合がありますが、工事内容や地域などでも違いがあるようなので、事前に自治体へ確認しておくと良いでしょう。

 

7.従業員を雇う場合の届け

 

サロンの開業や規模を拡大したいなどで、従業員を雇う場合にも届けが必要になります。


7-1.社会保険の届け

これは健康保険や厚生年金などの社会保険の届けです。
管轄の年金事務所での手続きとなります。

・新規適用届け
・被保険者資格取得届け

以上はどちらも、雇用から5日以内に届けでる必要があります。

また、保険料を口座振替を希望する場合や、扶養者がいる場合には別の届けも必要になります。


7-2.税金関係の届け

所得税や住民税などの税金関係の届けも必要です。

所得税は管轄の税務署で、住民税は市区町村への届けとなります。


7-3.労働保険の届け

雇用保険と労災保険を労働保険と言います。
これは家族以外の従業員、アルバイトの場合でも加入が必要です。

労働基準監督署へ雇用してから10日以内に、保健関係成立届を提出します。
そこに受付印をもらい、ハローワークへ雇用保険適用事業所設置届の提出となります。

ハローワークへ届けを出す際には保健関係成立届が必要なので、順番を間違えないようにすることと、こちらも雇用から10日以内に届ける必要があるため注意が必要です。

サロンの届けに関してご紹介していきました。
既にサロンを開業しているけど、やってなかった!という方もいるかもしれません。

ここで紹介したことはサロンで個人事業主として働いていれば必要なことなので、参考にしてくださいね!

 

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