これから美容室・サロンの開業を考えている方で、一番不安なのが資金ではないでしょうか?
開業するために、いくら資金が必要なのか?
資金を用意できるのか?と悩む方も多いと思います。
ということで、美容室・サロンを開業するために必要な資金と資金の内訳、資金の用意の仕方をご紹介します!
2店舗目の開業や、自宅サロンから路面店への引っ越しなどをご検討されている方にもお役立ていただける内容となっておりますので、是非ご一読ください。
1.サロン開業にはいくら資金が必要?
1-1.物件
1-2.内装工事
1-3.機器
1-4.商品
1-5.備品
1-6.広告費
1-7.人件費
1-8.運転資金
1-9.その他費用
1-10.開業資金の一例
2.開業資金を抑えるには?
2-1.自宅サロンや賃貸マンションでの開業を選択する
2-2.居抜き物件で内装工事費を抑える
2-3.商業施設などでの開業
2-4.内装工事は自分でできることはやる
3.資金は全部貯金しておかなきゃいけない?
3-1.日本政策金融公庫
3-2.補助金や助成金
3-3.その他融資
1. サロン開業にはいくら資金が必要?
何にどれくらい資金が必要なのか、内訳を見ていきます。
1-1. 物件
まずは物件を確保しなければサロンの開業はできません。
この物件取得費が一番資金が必要になります。
物件取得費は、サロンを開業する地域や形態によっても様々です。
自宅でサロンを開業したり、テナント、賃貸マンションなど、今はサロンの開業場所もたくさんの選択肢がありますよね。
・テナントで開業する場合は?
テナントで開業する場合には、仲介手数料などの他にも、保証金が必要になります。
これは家賃の半年分から10ヶ月分程度です。
都心で借りる場合を想定し、20万円の家賃だとすると、
保証金(半年分)20×6=120万円
仲介手数料 1ヶ月分=20万円
合計160万円
これは低く見積もった金額なので、実際にはもっと必要になる場合も多いです。
また、火災保険料などが必要になったり、内装工事の期間も考慮しなくてはなりません。
内装工事は引渡しからの着工になりますから、1ヶ月かかる場合にはプラス1ヶ月分の家賃が必要です。
・賃貸マンションで開業する場合は?
賃貸マンションの場合は、敷金や礼金・仲介手数料が必要です。
8万円の物件で、
敷金 1ヶ月分=8万円
礼金 1ヶ月分=8万円
仲介手数料 1ヶ月分=8万円
合計24万円
こちらも保証金が必要になる場合もあるので、その時はもっと高くなります。
ですが賃貸マンションの場合は、大掛かりな内装工事はできないので、工事期間が短く済み、その分の家賃も少なく済みます。
1-2. 内装工事
内装工事は物件の種類にもよりますが、サロンの種類によっても必要になる資金が違います。
特に美容室は、保健所の規定があり、水道工事などが必要になります。
居抜き物件であれば、そのまま使用できますが、そうでない場合には美容室の内装工事が一番高くなります。
しかし美容室に限らず、スケルトンで内装が施されていない物件の場合には、床などの全ての内装工事が必要になり、その分資金がかかります。
サロンには、非日常の空間を味わいに訪れるお客様が多いため、内装にこだわり、非日常の空間を演出することは良いことです。
その分、施術料金を上げることもできます。
また、内装にこだわっているサロンが多い場所で開業する場合には、内装を重視する必要があります。
その反面、内装工事に資金を使いすぎて足りなくなってしまったりしないように注意しなくてはいけません。
また、内装工事は費用を安く抑えることができる部分でもありますので、地域性や競合のサロン、ターゲットとするお客様のことを考えて決めると良いです。
・テナントの場合の内装工事費
上記にも出ましたが、スケルトン物件や居抜き物件など、物件の種類によっても違います。
最低でも50万円~こだわる場合には500万円程かけるサロンもあります。
・自宅サロンや賃貸マンションの内装工事費
賃貸マンションでは大きな工事はできないので、たくさんの資金は必要ありません。
しかし、自宅サロンもそうですが、出来るだけ生活感が出ないようにする必要があります。
サロンだけで住んでいないと言っても、家感のある物件だと、どうしても生活感を感じてしまいます。
お客様に非日常の空間を味わっていただく為にも、生活感が出ないようにする必要があります。
物件の取得にあまり資金がかからない分、内装にこだわるのも良いと思います。
自宅サロンや賃貸マンションの内装工事費は20万円から50万円程が多いです。
※自宅サロンの開業について、さらに詳しくまとめた記事はこちら(↓)
>賃貸マンションでサロン開業【メリット・デメリット・物件の探し方】
1-3. 機器
サロンで使う機器は、サロンの種類によっても様々ですが、美容室やエステティックなど機器が必須のサロンもあります。
機器は20万円程のものから、200万円程する高額なものもあります。
ご自分のサロンで何を売りにしていくのかをしっかり考えて決めなくてはいけません。
また、機器をリースすることも可能です。
しかし契約期間が長期であることも多く、やはりサロンの売りやこだわりを事前に決めておくことが大切です。
また、サロン業界は流行に敏感なので、しっかりと見極める必要があります。
機器を使わず、オールハンドでエステティックを行うというのも、資金を抑えられるだけでなく、サロンの売りにもなります。
美容業界の展示会や見本市などに足を運び、様々な機器を実際に体感するのも良いです。
※最新の展示会・見本市などのイベントの開催情報についてはこちら(↓)の記事にまとめてあります。
>【2019年最新版】美容室・サロンのイベント・展示会・見本市18選
1-4. 商品
商品は美容室であれば、シャンプーやカラー剤など施術に使うものや、物販で販売していくものです。
何の商品を使用しているかで、来店を決めるお客様もいますので、重要になります。
これはブランドによって、取引条件がある場合もあります。
他のサロンとの差別化を図りたいと考えていれば、取引条件が厳しいブランドの方が良いです。
しかし、100万円以上の購入が必要などのブランドもあります。
こちらも、展示会や見本市で見てみるのも良いでしょう。
※最新の展示会・見本市などのイベントの開催情報についてはこちら(↓)の記事にまとめてあります。
>【2019年最新版】美容室・サロンのイベント・展示会・見本市18選
1-5. 備品
備品はタオルや施術用ベッド、家具などです。
美容室であれば、ハサミやドライヤーなども必要ですよね。
費用を抑えるために、安いものを購入するのも良いですが、すぐにだめになってしまったり、長い目で見ると良いとは言えません。
しかし高すぎるものもあるので、色々な商品を見て検討するのが良いです。
また、自宅や賃貸マンションで、家具にこだわることで、生活感をなくし、非日常のサロンの演出ができます。
他にもパソコンや電話などの備品が必要になるので、忘れないようにしましょう。
1-6. 広告費
広告費は、集客のために必ず必要になります。
チラシ作りや、ホームページの作成、クーポンサイトへの掲載などがあります。
これには、費用がかかる物と、かからない物があります。
ブログやSNSの活用は費用がかからないので、今回は費用がかかるものをご紹介します。
ホームページ作成…1万円程。業者に頼む場合には10万円程。
クーポンサイトへの掲載…5万円程。
IT導入補助金を活用することで費用を半分程度に抑えることが可能な場合もあります。
詳しくはこちら(↓)の記事をご覧ください。
1-7. 人件費
人を雇う場合は、人件費も確保しておかなくてはなりません。
開業してすぐに利益が出なくても、人件費を払わない、というわけにはいきませんからね。
美容室・サロンの人件費の割合は50%と言われています。
人を雇う分、予約をたくさん取れるようにしておかなくてはいけません。
1-8. 運転資金
開業すればすぐに利益が出ると考えている方も多いですが、実際にはそう簡単にはいきません。
利益が出るまでには、何ヶ月もかかります。
ですから、開業する前に、開業後の運転資金を用意しておく必要があります。
これは赤字でも、家賃や水道光熱費、商品の購入費用や機器のリース代、広告費など、毎月支払っていかなくてはならないからです。
この運転資金が足りないと、資金不足で営業していくことができません。
集客が上手くいき、利益が出るようになるまでの期間を想定し、用意しておきましょう。
きちんと運転資金を用意しておけば、集客に失敗しても立て直すことができます。
ですからこの資金は実はとても重要です。
最低でも3ヶ月から半年分の運転資金を用意しておくと良いです。
1-9. その他費用
他にも、例えば税理士を雇う場合にはその分の費用が必要です。
また、会社を設立するとなると、登記費用などが必要になります。
ご自分が作りたい美容室・サロンの規模や今後の計画をしっかりと立てておく必要があります。
1-10. 開業資金の一例
では、実際に開業資金は合計でいくら必要になるのか、東京都でテナントで開業する場合を一例にご紹介します。
内装工事費…100万円
機器…50万円
商品・備品…50万円
広告費…20万円
人件費…60万円
運転資金…120万円開業資金合計額…560万円
この金額は、一例であり、もっと安く抑えることも、高くなることもあります。
しかしテナントで開業する場合には、これくらいは資金が必要ということを頭に入れておいた方が良いです。
2. 開業資金を抑えるには?
開業にかかる資金の内訳を見てきましたが、いかがですか?
結構かかるなという方も多いと思います。
では、ここからは出来るだけ開業資金を抑えるにはどうしたら良いのか?をご紹介していきます。
2-1.自宅サロンや賃貸マンションでの開業を選択する
今まで見てきたように、自宅サロンや賃貸マンションでは、物件の取得費や家賃、内装工事などが、テナントに比べると安くなります。
初めて開業する場合、不安なことも多くリスクを抑えるために、自宅サロンや賃貸マンションでの開業を選ぶ方も多いです。
費用がかからない分、広告費にお金をかけ、集客することもできます。
※参考:自宅サロンの開業についての記事はこちら(↓)
>賃貸マンションでサロン開業【メリット・デメリット・物件の探し方】
2-2.居抜き物件で内装工事費を抑える
テナントでも、居抜き物件であれば、内装工事を抑えることが可能です。
居抜き物件とは、以前入っていたテナントの内装や設備がそのままになっている物件のことです。
美容室・サロンの居抜き物件であれば、大規模な内装工事をする必要なく、施術環境が整えられているので、費用を抑えることが可能です。
2-3.商業施設などでの開業
商業施設内での開業も費用を抑えることが可能です。
ショッピングモールだけでなく、ホテルや温泉、ジムなどにもサロンがあることも多いですよね。
資金を抑えられるだけでなく、集客しやすいのもメリットです。
しかし、施設を利用するお客様に限られてしまうことや、施設内の決まりで自由にできないというデメリットもあります。
2-4.内装工事は自分でできる事はやる
大規模な工事や、専門的な知識が必要な工事は、業者に頼んだ方が良いですが、自分で出来ることは自分で行えば、その分費用が抑えられます。
お客様から見えない収納の部分や、壁紙を自分で貼ったりなど、自分でできることもあります。
最近ではDIYと言って、素人の方が自分で家具を作ったりしますよね。
そういったものを参考にしながら、出来そうなことは自分でやるのもありです。
3. 資金は全部貯金しておかなきゃいけない?
費用を抑える方法をご紹介しましたが、それでも開業にはたくさんの資金が必要ですよね。
しかし、この資金は全て自分で貯金しておかないと開業できないわけではありません。
貯金で全て賄ったという方の方が少ないでしょう。
ここからは開業資金の集め方をご紹介します。
3-1.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、国が出資している金融機関のことです。
中小企業や個人事業主などの、資金調達などの支援をしています。
他の金融機関に比べて金利が低いこと、他の金融機関がだめでも審査に通る可能性があり、融資や事業の相談やアドバイスをしてくれる、というメリットがあります。
・「女性・若者・シニア起業家資金」
美容室・サロンの開業には、「女性・若者・シニア起業家資金」というのがオススメです。
女性、または35歳未満、55歳以上の男女が対象となります。
開業から7年以内であれば利用することができます。
審査に1ヶ月程時間がかかることや、保証人が必要になる場合もあります。
ですから事前準備をきちんとしておきましょう。
・「新創業融資制度」
上記の融資条件に当てはまらなくても、他にも融資を受けることができます。
その中でも、「新創業融資制度」は担保や保証人の必要がない制度です。
融資額の1/10の自己資金が必要になり、上記の融資よりも金利が高くなるというデメリットもあります。
3-2.補助金や助成金
補助金・助成金は、国が開業や労働環境を支援する制度です。
こちらの場合は、融資ではなく、返済する必要がありません。
ですから、補助金・助成金を受けることが出来れば、とても助かりますよね。
しかし、これらはかかった費用に対して支払われる仕組みになっており、まずは資金を用意しておかなくてはなりません。
補助金・助成金にはたくさんの種類があります。
詳しく紹介している記事をご覧下さい。
3-3.その他融資
・民間金融機関
銀行などから融資を受けるというのもありますが、これから開業する方にはとてもハードルが高いのが実状です。
新規事業は信頼を得ることが難しいためです。
ですから、銀行などの民間金融機関で融資を受けるのは、最初は日本政策金融公庫からの融資で実績を作り、今後事業を拡大したいという時に考えるのが良いです。
・自治体の制度融資
これは自治体に申請し、自治体が民間金融機関をあっせんし、融資される制度です。
民間金融機関ではありますが、金利が低いことが大きなメリットです。
しかし、融資されるまでに2ヶ月程時間がかかること、自己資金の必要な額が高いことがデメリットです。
いかがでしたか?
美容室・サロンの開業には、様々な資金が必要で決して安くはありません。
簡単に開業できないからこそ、失敗しないように、しっかりと資金の確保をする必要があります。
ご自分の希望する美容室・サロンの形態や規模に合った、資金調達の方法を知ることは大切ですから、是非参考にしてくださいね!