1:口コミが起きるロジック
1-1:口コミって本当に集客効果があるの?
まずは口コミというのは、効果的なのかどうか?を検証してみます。
サロンの来店・購入・選定において他の人の
・口コミが気になると答えた人 …約82%
・口コミが決め手になると答えた人 …約90%
・口コミの内容を信頼すると答えた人…約80%
というデータがあり、これを見るに大多数の人が「口コミに影響を受けている」ということがわかります。
よって集客効果があると言えます。
1-2:口コミって「誰が」するの?
ではその影響を受ける口コミは誰から聞くのでしょうか?
NTTコムサーチの調査では
・1位:友人・知人…87%
・2位:家族 …57%
・3位:職場 …45%
というデータがあり、これを見るに来店や購入の決め手となるキーパーソンは普段の生活で実際に接触したことがある人物ということがわかります。
※NTTコムサーチ「購買行動における口コミの影響」に関する調査より
1-3:口コミって「いつ」するの?
口コミのキーパーソンは、どんな時に口コミ紹介したくなるのでしょうか?
多くの人は感動した時に口コミ紹介をしたくなります。
それでは、お客様が感動するロジックについて説明します。
まず、お客様は何かを期待してあなたの経営する美容室・サロンに来店します。
実際にサービスを受けて期待通りだと思った場合、お客様は<満足>します。
期待値を超えたサービスや接客だと思った場合お客様は<感動>します。
感動してもらうためにサービスを良くする…と言っても安売りをオススメするわけではありません。
私のクライアントの美容室・サロン経営者さんからサービスを良くして口コミを増やすために「もっと値段を安くした方が良い?」とか「もっと施術時間を長くすべきですか?」と相談をいただきます。
場合によっては必要かもしれませんが、その前に試してみてもらうことがあります。
それは、あなたの技術やサービスのこだわりをお客様にきちんと伝えるようにしてください。
例えば、担当の美容師にゼロテクや後処理などの技術的な説明を聞いたお客様は「やはりプロは違うわね」「素人には真似できないな」と技術の高さに感動する可能性が高いです。
美容師にとって当たり前の技術であり、常識的な情報であってもお客様にとっては価値が高く、そこに感動が生まれます。
「お客様に喜んでもらうための努力をしている!」ということも伝わるという効果もあります。
意外と伝えていないサロン様も多いので、あなたのサロンの技術やこだわりをお客様に感動してもらうために必ず伝えましょう。
無理に割引しなくても、サービスを増やさなくても、伝えることで口コミ紹介の数は伸びます。
2:ナンバー1を伝える
2-1:1位じゃないとダメなんです!
唐突ですが、あなたに一つ質問します。
世界一高い山の名前は??
・・・
・・・
・・・
答えは「エベレスト」ですよね。
それでは、世界で二番目に高い山の名前は?
・・・
・・・
・・・
答えは「カラコルム」です。
通称K2と呼ばれる山脈ですが、ご存知でしたか?
多くの人はあまり知らないと思います。
何が言いたいかと申しますと1位と2位には認知度にすごい差があるということです。
ということで、あなたのサロンでも1位であることを宣伝すれば大きな集客効果を生みます。
「そんなに簡単に1位と言われても…」と、思われたかもしれません。
しかし、そんなに難しくありません。
フィリップ・コトラーという人が提唱したSTP戦略というマーケティングの戦略があります。
詳しい説明は省きますが、ざっと申しますと以下のような理論を提唱しています。
Segmentation(ニーズを細分化して)→Targeting(ターゲットを絞って)→Positioning(提供するものを考えてから宣伝する)
これを美容室・サロンのお話にすると「1位が取れるまで細分化する」という戦略です。
例えばあなたのサロンのサービスのこだわりが日本で1位はダメでも、神奈川1位ではどうでしょうか?
神奈川1位はダメでも横浜1位ではどうでしょうか?
横浜1位はダメでも〇〇区の1位ではどうでしょうか?
今の時代、お客様が利用したい美容室・サロンを探す時は、インターネットでの検索です。
ほとんどの場合、地域というキーワードを入れて検索するはずです。
その時に、あなたの経営する美容室・サロンのホームページなどに「〇〇なら地域ナンバーワン」と記載されていたらインパクトはかなり大きくなります。
地域を細分化しても1位であることを宣伝するのは口コミを生みやすくなるだけでなく、かなりの集客効果を発揮します。
頑張ればたった1日で出来てしまいます。
この細分化というのは、ここ最近様々なビジネスで行われています。
その理由はインターネットの普及によってお客様のニーズが多様化したからです。
10~20年ほど前は看板やチラシなどで宣伝するだけで「あ、そういえばあそこに新しいサロンができたみたいね」という感じで集客できました。
逆にターゲットを絞り過ぎると集客しづらかった時代ですね。
しかし、情報で溢れかえっている今は「サロンを利用したいけど色々ありすぎて決められない…」というのがお客様の本音です。
「私の〇〇という願望を、□□で叶えてくれるサロンに通いたいのよね~」といった感じでニーズが多様化してきています。
そこで、そのニーズに対して「地域ナンバー1です!」と宣伝するのは非常に有効です。
ということで、地域ナンバー1店であれば口コミもされやすくなります。
▼分かりやすい動画解説もありますので宜しければご覧ください▼
3:ストーリーで伝える
お客様は美容室・サロンのサービスなどに感動することによって口コミをする!と先述しました。
本項ではお客様の感動を効果的に呼び起こす具体策について紹介します。
その具体策とは、あなたの経営する美容室・サロンのサービスや独自のウリ、こだわりなどをストーリー仕立てにして伝えることです。
3-1:ディズニーに学ぶファンづくり
世界屈指の企業であるディズニー・ピクサー社ですが、STORY IS KING(物語こそ至上である)という言葉を理念として掲げており、オフィス内に張り紙がしてあるそうです。
そして、MacやiPhoneのメーカーApple社のスティーブジョブスも、ディズニー社の取締役になった時にこんな言葉を残しています。
「テクノロジー(MacやiPhoneなど)は10~15年で飽きられるが、ストーリーは100年以上も人々に愛され続ける。」
ストーリーがこんなにも重要視されている理由は、
・喜び
・悲しみ
・怒り
などの感情を共有することができるからです。
人は感情が動くことで行動を起こしやすくなります。
つまり、その感動を人に伝えたくなるので、口コミが起きやすくなる!というわけです。
3-2:感情を動かす鉄板のストーリー
それでは、どのようなストーリーで伝えると感情が動きやすくなるのか?
それは、ヒーローズジャーニー(英雄の旅)と呼ばれる鉄板のパターンに沿ったストーリーにすることです。
・映画
・ドラマ
・漫画
・小説
・ゲーム
・スポーツ
など人々を熱狂させるエンターテイメントの成功例には、必ずこの要素が入っています。
ヒーローズジャーニーの流れを説明しますと、
①願望・悩み
「私には、叶えたい願望があります。」
「解決したい悩みがあります。」
↓
②冒険・成長
「その願望を叶えるための冒険をしました。」
「悩みを解決するために努力をして成長しました。」
↓
③報酬・回復
「そして、その結果 報酬を得ました。」
「悩みで傷ついた部分の回復を手に入れることができました。」
といったストーリーの流れがヒーローズジャーニーです。
3-3:ヒーローズ・ジャーニーの代表例は桃太郎
あなたもご存知の桃太郎のストーリーを例に挙げます。
【ギャップ・インパクト】
「桃から生まれた桃太郎がいます。」
人間なのに桃から生まれた?という部分にギャップがありインパクトが大きいわけです。①願望・悩み
「桃太郎の村では悪さをする鬼に悩まされています。」
「そこで桃太郎は鬼を退治するために必要な仲間(アイテム)犬・猿・雉を手に入れます。」
↓
②冒険・成長
「鬼と対決するという冒険を経て」
↓
③報酬・回復
「桃太郎は報酬として宝を手に入れることができました。」
という感じのストーリですよね。
このヒーローズジャーニーはよく使われるストーリー手法なので、シンプルで伝わりやすいため、共感を生み出しやすく、その結果、読み手が応援したくなるというわけです。
3-4:美容サロンにおけるヒーローズ・ジャーニー
それではヒーローズジャーニーを美容室・サロンのストーリーに照らし合わせた例を挙げます。
①願望・悩み
「私もあなたと同じでした。
痩せたくてダイエットしたが体調を崩してしまった。」
↓
②冒険・成長
「〇〇というダイエット方法に出会った。」
これ(↑)はあなたのサロンのメニューのことです。
↓
③報酬・回復
「〇〇という方法を実践した後は□□という素晴らしい体験をした。」
という自己紹介ストーリーになります。
こうすることで読み手はあなたのストーリーに共感し、あなたの活動を応援したくなり、ファンになってくれて、口コミをしてくれるようになります。
このヒーローズジャーニーは口コミ集客だけでなく様々なところで活躍します。
動画でさらに詳しく解説していますので是非ご覧ください。
4:口コミしやすい工夫をする
お客様が、あなたの美容室・サロンのサービスなどに感動して口コミしたくなった!
・・・だけど、どんな風に伝えたら良いのか分からない。
といった、もったいない状態にならないように口コミしやすいように工夫してあげることも大切です。
4-1:店名はカタカナで
美容室・サロンの場合でよくあるのが英語やフランス語などの店名です。
特に看板・店内ポップ・ホームページなどを店名ロゴだけで表示している美容室・サロンが多いです。
しかし実は、このロゴというのが口コミの邪魔をすることがあります。
ロゴと言うだけあった凝ったデザイン文字だったり、アルファベットが筆記体だったり、大文字小文字が入り混じったりしたものを良く見かけます。
読みにくいロゴばかりを使いすぎるのはNGです。
読む気がなくなってしまうお客様も多く、読んでくださったとしても誤って読んでしまう可能性もあります。
口コミで店名を伝えていただく機会が減ってしまう可能性が高いです。
デザインされたロゴだけの方がオシャレだと思いますが、カタカナやひらがなの表記も入れて、お客様に店名を覚えてもらいやすくする工夫をしましょう。
4-2:悩みが解決できたことを書いてもらう
人がインターネットで検索する時は何かの答えを探している時ですよね。
その多くは自分の持つ願望を叶える方法や悩みの解決策についてです。
実際に、美容室・サロンを探す時によく検索されているキーワードの掛け合わせは「地名」+「サービス名」or「業種名」+「改善したい状態」というものです。
(例)
「地名」+「美容室」+「髪質改善」
「地名」+「エステ」+「ダイエット」
「地名」+「ネイル」+「深爪矯正」
「地名」+「マッサージ」+「頭痛」
「地名」+「整体」+「だるい」etc.
上記のようなキーワードでインターネット検索した人が検索結果を見たら、最も改善が見込めそうなお店に関心を持ちます。
つまり「このお店を利用して〇〇という悩みが改善できた」という口コミを書いてもらうことが最も集客効果を見込めます。
お客様に口コミをお願いする時は「どのような悩みが改善されましたか?」とお尋ねして、その答えを書いてもらうようにしましょう。
口コミを書くお客様も、どんなことを書けば良いのか分からないことも多いので、ある程度導いてあげることが大切です。